中 国 にお け る養 鶏 生 産 の イ ンテ グ レーシ ョン の再 編
Reorganization of Integration of Poultry Production in China
張 長 駐*・ 小 栗 克 之**
(*岐 阜 大学 大学院 連合 農学 研究 科 ・**岐阜 大 学地域 科学 部)

1950年 代 か ら人民公 社 が設置 され た。 それ に伴
い個 人養鶏 の禁 止 と集団化 養鶏 が推進 され,こ の
政策 の影 響で農 家養 鶏 は減 少 した。 しか し,集 団
養鶏 の経 験不足 や技 術 レベル の低 下等で鶏 卵 ・鶏
肉の生産 量は伸 び なか った。 また,計 画経 済 下で
は 国が決 めた低 い統 一 買付価格 で政府 が農 家か ら
生産 物 を買収 した ため,養 鶏農 家 が利 益 をあ げ る
こ とは難 しか った。 そ の他,穀 物 の不足 も養鶏 生
産 に大 きな影響 を与 え,鶏 肉 と鶏卵 の供給 量 の伸
び はほ とん どみ られ な かった。 長 い間(1952-197
8年)1人 当た り年 間消費 量 は鶏卵 の1.2キ ロと家
禽 肉注1)の0.4kgに す ぎ なか った(第1表)。 中 国経
済 の発展 とともに生 産技 術 は進 歩 したが,1958年
に人 民公社 にな ってか ら1978年 の改革 開放 前 まで
は開発 され た技術 が生 か されず,生 産 の伸 びは停
滞 し,物 不足 の状 態で あっ た。
1970年 代後 半 に入 っ て,政 府 は供 給の増加 を促
進 す るた め,採 卵鶏 を中心 に新 品種 の 開発 や大型
養 鶏場 の創設 な どに力 を入れ,計 画 経済指 導下 の
生産 ・流通 システ ム をつ くった。 これ は国か らの
経 済 的な援助 や,技 術 の指導 が行 われた ことか ら,
計画経 済型 イ ンテ グ レーシ ョンといえ る。 しか し,
この イ ンテ グ レーシ ョンは政府 によ る安価 な取 引
価 格 の制定や 利益 の分配 等 の問題 か ら生産 量は伸
びな かった。
1978年 の改 革 開放 後,市 場経 済 に入 り,上 記 の
よ うな政府 に よる計画 的な養 鶏 システ ムは衰退 し
てい った。他 方,市 場経 済型 イ ンテ グ レーシ ョン
が形成 され,展 開 し始 めて い る。本 研 究は以上 の
イ ンテ グ レーシ ョンの再 編 に焦点 をあ て,(1)計 画
経済 型イ ンテ グ レー シ ョンの特徴 と役割及 びそ の
衰退原 因 の解 明,(2)市 場 経 済型イ ンテ グ レーシ ョ
ンの形成要 因及 びそ の特徴 の解 明を 目的 とす る。
研究 の方法 としては 中国統計 資料や 文 献 若干 の
実態調 査(東 北部,北 京 市等 の養鶏 関連企 業)を も
とに分析 を行 った