ソウルの大手スーパーマーケットのカスタマーズセンターで従業員として勤務するパクさん(42)は、数日前ある中年顧客のために屈辱を味わった。

同顧客は「払い戻しにやって来た」と言って、シャンプーやリンスなどが入った秋夕(中秋節、今年は10月4日)の詰め合わせセットを突き出してきた。当スーパーで販売した商品ではなかった。

同顧客は「領収証は捨てた。とにかく払い戻してほしい」と言い張り、騒ぎ立てた。結局スーパーの上役が出て来て商品券を差し出したことで、ようやく騒動は収まった。

秋夕連休が終わって以降、スーパーの従業員たちは「騒ぎ立てる顧客」のために頭を抱えている。他人にもらったギフトセットをスーパーに持ってきて、交換や払い戻しを要求するケースが増えているためだ。

一部の顧客は「祭祀(さいし)の際に供え物として使用したが、おいしくなかった」と言って、食べかけのブドウを箱に詰めてきて払い戻しを迫ったり、「ギフトセットの中身が気に入らない」として開封済みのギフトセットの交換を要求したりした。

秋夕連休の真っただ中の10月7日、あるネット上のコミュニティーには「名節(旧正月や秋夕)の際にスーパーマーケットで目にした新しい光景」と題する書き込みが掲載されていた。

同ネチズン(インターネットユーザー)は「ある大手スーパーのカスタマーズセンターに1時間ほど立ち寄った際に目にした」とした上で、

「スパムのギフトセット(ハムの詰め合わせ)の箱は捨て、中身だけを黒いビニール袋に入れて持ってきて、交換するよう要求する人、飲みかけの紅参茶(人参茶の高級品)濃縮液セットを持参して、商品券との交換を迫る人、果物がおいしくなかったから糖度測定機を持ってきて測定するよう要求する人たちでごった返していた」と書き込んだ。

流通会社では「領収証を持参の上、使用していない商品をある一定期間内にそのまま持ち込んだケースに限り、交換や払い戻しが可能」と内部規定を定めている。

しかし、手の付けられない顧客をなだめるために渋々交換に応じたり、少額の商品券を差し出したりするケースがある。

あるスーパーの関係者は「きっぱりとした態度で対応したところ、顧客がネット上に同社の悪口を書き込んだ。顧客が奪われて売り上げが下がれば、損するのはわれわれだ」と苦笑した。

イ・スルビ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/10/20/2017102001678.html