選挙に勝ったのは北朝鮮のおかげ つい本音が出た麻生氏 いや自民党の本音だ 憲法9条が日本の平和を守る

自民党が小選挙区制のおかげで「圧勝」しましたが、その要因について、北朝鮮のおかげと麻生太郎氏は言ってしまいました。

「衆院選勝利「北朝鮮のおかげ」=麻生氏」(時事通信2017年10月26日)
「麻生太郎副総理兼財務相は26日、東京都内で講演し、自民党の衆院選勝利について「明らかに北朝鮮のおかげもありましょうし、いろんな方々がいろんな意識をお持ちになられた」と述べた。」

安倍政権はこの間、北朝鮮によるミサイル発射実験について、日本国民に対して執拗に「脅威」を煽り続けました。北朝鮮に対する対応は、「国難」とまで言って衆議院解散の口実にも使っていました。これと同時に安倍自民党は、憲法9条への「自衛隊」明記を「公約」と言い出しました。

安倍自民党は、選挙の勝因について、北朝鮮への対応が評価されたと自画自賛しています。

しかし、現実には北朝鮮の脅威など存在せず、ただ国民に対して危機を煽っていただけというのが実態です。その後、トランプ氏も北朝鮮を煽るような発言もしていましたが、現状、至って穏やかです。

何と言っても、安倍氏は「国難」だからと言って衆議院を解散しながら、安倍内閣は臨時国会の召集を拒否したままです。

都議選が終わって以降、国会が召集されない状態は、議会制民主主義の国にでありながら異様という状態ですし、その召集しない口実は安倍氏の外遊日程だそうですが、「国難」とはほど遠い気楽さがあります。

そのような中で麻生氏が、「北朝鮮のおかげ」とつい本音を言ってしまったのです。政治利用が功を奏したというもので、安倍自民党の本音であります。

外敵をつくって危機を煽り、支持を高める、為政者によって使い古された手法です。

「北朝鮮にたいして挑発していたのは米国トランプ氏だった 危機を煽り、安倍政権が爆買いに走るだけでなく、先制攻撃を想定している?」

北朝鮮危機は、安倍氏にとっても危機でも何でもなく、安倍自民党とトランプ米国が意図的に作り出したものということを露呈してしまいました。

北朝鮮脅威の煽りの象徴

憲法9条が平和を守ったのかなどと未だに言っている人たちがいますが、現に日本が戦争に巻き込まれることから平和を守っています。

北朝鮮問題でも然りです。安倍氏らがやっていることは北朝鮮を煽るばかりで、平和を壊す行為であり、それは憲法9条の理念も反するものです。憲法9条を踏みにじる安倍政権だからこそ、戦争が好まれているのです。

私たちは、北朝鮮の危機は演出されたものであることを深く自覚しないと、すぐに騙されてしまいます。

憲法9条の改憲は軍事力行使のためのもの、北朝鮮脅威論は自民党によって作り出されたプロパガンダであり、国民を騙して危険な方向の誘導しようというものです。

憲法9条こそが平和を守ってきたし、これからも日本の平和を守ります。

改憲させてはなりません。

猪野 亨
弁護士
1968年生まれ
1992年北海道大学法学部卒業
1998年弁護士登録
2000年いの法律事務所開設

司法改革から政治経済、世界情勢にいたるまで幅広く意見を発信している。
法科大学院の廃止、弁護士人口激増の阻止、裁判員制度の廃止へ向け精力的に活動中。

http://blogos.com/article/255390/