沖縄県の地元紙「琉球新報」「沖縄タイムス」の報道姿勢を糾弾してきた作家の百田尚樹氏(61)が27日夜、同県名護市の数久田(すくた)体育館で「共に考える『沖縄の、日本の未来』と題して講演し、2紙について「沖縄に迫る脅威や真実を伝えていない」などと縦横無尽に批判した。

講演直後には、会場で「差別発言だ」などと意味不明な言いがかりをつける沖縄タイムス記者を論破する場面もあった。(那覇支局長 高木桂一)

講演で百田氏は「中国は尖閣諸島を取りに来ている上、沖縄も自分のものにしようとしている」と指摘。中国公船が尖閣諸島(石垣市)周辺に連日のように来ていることを例に挙げ、「漁船などの緊急避難で島に上陸するのが最も確率の高いシナリオ。中国軍が自国民を助ける目的で尖閣に上陸する」と分析した。

その上で「中国側は尖閣周辺で自国の船が写っている映像を世界に流して、日本の施政権が及んでいないよう見せかけている。日本は後れを取っている」と警鐘を鳴らし、中国が尖閣諸島を確保した場合、3年で沖縄と台湾をにらむ軍事基地を建設するとの見通しを示した。

さらに「中国が尖閣に侵略したら、米軍が日米安全保障条約の範囲内で出動するが、日本の施政権の範囲に限られ、穴がある」と指摘するとともに「自衛隊が参加しなければ米国は戦わない。憲法改正を急がなければ日本は自国を守れない」と強調。

「沖縄の実権を握っている2紙は中国の脅威を書かない。一番被害を受ける沖縄県民が中国の脅威を知らされていない」と訴えた。

講演に続いて行われた講演会実行委員長、我那覇真子(がなは・まさこ)氏とのトークショーでは、会場に詰めかけた600人超の参加者から、真実を報じない沖縄2紙に対し「不買運動すればいい」「みんなで新しい新聞を作ろう」などという“2紙不要論”が上がった。

百田氏は「そんな新聞は訃報(おくやみ)欄とテレビ欄だけあればいい」とばっさり切り捨てた。



28日午後に沖縄県宜野湾市内で行われる予定だった百田尚樹氏の講演会は台風22号の影響で延期された。

http://www.sankei.com/life/news/171029/lif1710290010-n1.html


高江ヘリパッド反対運動に「怖いな、どつかれたらどうする」 百田尚樹氏が沖縄で講演

作家の百田尚樹氏が27日、沖縄県名護市内で講演した。講演前に東村高江周辺のヘリパッド建設反対運動の現場に行った時のエピソードを紹介、「中国や韓国から来ています(と参加者の内訳を同行者に説明され)、嫌やなー、怖いなー、どつかれたらどうすんの(と返した)」と発言した。

講演後、中国や韓国に対する差別を問う本紙の取材に対し、百田氏は「県民が半分で、あとは全国、世界から活動家が来ているということに対して怖いと言った。差別意識は全くない」と説明した。

百田氏は2015年、自民党本部で開かれた会合で「普天間飛行場は田んぼの中にあった」などと事実に反する発言をした。16年には刑事事件の容疑者について「在日外国人たちではないかという気がする」と会員制交流サイト(SNS)に投稿している。

反対運動について「日当が何万円と払われている」「中核は中国の工作員だ」と講演した根拠については、取材に「ない。そうとしか思えないと言っただけ」と述べた。

講演会は実行委員会(我那覇真子委員長)の主催。仲井真弘多前知事、島袋吉和元名護市長が呼び掛け人を務めた。

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/162966

http://www.sankei.com/images/news/171029/lif1710290010-p1.jpg
講演で沖縄タイムス社発行の「報道圧力」を手に沖縄2紙の報道姿勢を批判する百田尚樹氏=27日夜、沖縄県名護市(高木桂一撮影)
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講演会実行委員長の我那覇真子氏(左)とトークショーを行う百田尚樹氏=27日夜、沖縄県名護市(高木桂一撮影)
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百田尚樹氏の講演会には県内外から600人超が駆け付け、「立ち見」する人もいた=27日夜、沖縄県名護市(高木桂一撮影)