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▲リチャード・ステンゲル氏、1955年ニューヨーク生まれ。米国プリンストン大学と英国オックスフォード大学で文学と歴史を専攻。米誌「タイム」の第19代編集部局長(Managing Editor)、国務省次官(2014〜2016年)などを歴任。(写真=ステンゲル氏の公式サイト)

「お世辞という側面でトランプは『アメリカン・アダム』ではない」

元米国国務省次官のリチャード・ステンゲル氏(62)の言葉だ。ステンゲル氏はお世辞の歴史を暴いた著書『「おしゃべりな人」が得をする おべっか・お世辞の人間学』に個人的な次元から権力・宗教の次元まで「社会的な言葉の宴会(お世辞)」の歴史を扱った。

中央SUNDAYはドナルド・トランプ米国大統領が日本を経て韓国に到着した7日、ステンゲル氏に電話インタビューを行った。当初の主題は「21世紀のビジネス環境とお世辞」だった。ところがトランプ訪韓があったせいか、ステンゲル氏とのインタビューは全く違う方向へと進んでいった。

−−トランプ大統領が日本特有のおもてなしを楽しんだようだった。
「(笑)その通りだ。トランプは私が本で述べたようなアメリカン・アダムではない。米国大統領を指すアメリカン・アダムは、欧州王室の宮廷の内の権力者とは少し違う。『儀式に汚された(protocol−laden)』お世辞よりも実用的で直接的なお世辞が好きなのが歴代の米大統領だった。彼らは平凡なスタイルが好きだが、時おり華やかなコートでおしゃれするそのような感覚のお世辞を楽しんでいた」
(中略:トランプは国内支持率が低いのでお世辞を喜ぶ)

ステンゲル氏は時事週刊誌タイムの編集部局長を務め、バラク・オバマ政権時、国務省次官に起用された。自身をリベラル(米国式進歩)と考えている。ステンゲル氏はジャーナリスト時代にお世辞の歴史をまとめた。記者出身の外交官僚らしく、ろうそくデモや大統領弾劾など韓国の政治状況をよく知っていた。

−−最近の韓国はどのように見えるか。
「大衆が力を満喫しているようだ。平和的ろうそくデモで大統領を追い出した。大衆が主人であることを自覚して、また実際にも感じていて、力を行使しようとする時期だと考える。既存のエリートに対する拒否も伺える」

−−保守派政治エリートがまだ方向を見定めることができずにいるようだ。
「そのようだ。大衆とエリートの間の方程式が変わった。このような時、国民は君主のように自らを考える。既存のエリートの危機だ」

−−危機とは。
「韓国の既存のエリートは良い学校・家柄を背景に生まれたものと思う。『大衆と違った点』を武器にリーダーになった。だが、大衆が権力の前面に出た最近、彼らは既存エリートの代わりに自身と境遇が同じか、よく似た人物をリーダーに選ぶ傾向を示す。保守であろうと進歩であろうと、リーダーになろうとする人はこの点を肝に銘じて行動しなければならない」

−−どのように行動すれば良いだろうか。
「保守であろうと進歩であろうと政治メッセージはお世辞だ。既存のエリートは大衆を対象化した。抽象的なイデオロギーに合わせて大衆を説得の相手として見ていた。しかし民主主義は構成員が同意すれば気持ち良く崖っぷちまで船を進めていくことができるシステムだ。既存のエリートはこれを人気迎合主義(ポピュリズム)と非難するだろうが、歴史的に大衆より立派な英雄がどれくらい珍しいか、証明済みではないか」 (中央SUNDAY第557号)
(後略:ビジネスリーダーとお世辞について)

ソース:中央日報「お世辞に飢えていたトランプ、韓日でもてなしを受けて癒された」
http://japanese.joins.com/article/363/235363.html