植民地期における韓紙の変容

朴 英狷

韓国の製紙史は、独自の発展と隣国との影響関係において展開されてきた。中国で発明された
製紙技術が伝わって以来、朝鮮半島では風土に合った独自の製紙技術と紙文化を発展させて
きた。(中略)

2.韓紙の特徴

2.1 朝鮮後期の韓紙に関する記録

韓紙は中国の紙とは違って製紙原料として楮を使用しているために紙質の強靭さを特徴としている。
大韓帝国(1897~1910)の末期にロシア大蔵省が編纂した『韓国誌』にも「韓国産の紙は樹木の繊維
で漉くのでその原料において西洋とは異なり強靭性があるので縄や網を作るのに良い」と記されている。

一方、韓紙の強靭さに対する批判的な意見もある。朴趾源は『熱河日記』で次のように述べている。
高麗紙は絵を描くのに適当でなく、とうれん搗練しない物は毛羽が多く立ち、打った物はあまりにも堅く
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尚筆が滑りやすいので墨を吸わない。紙は墨をよく吸い筆跡の様態をよく表せる物を貴重な物とするが、
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丈夫で破れない物はまだそこには至っていない物である。
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韓紙が強靭さを特徴としている理由は、その原料である楮の繊維の強さと韓紙独特の漉き方にある。
(中略)
漉き桁を揺り動かす「流し漉き」の技法を持つのは韓国と日本ぐらいである。日本では、用途に合わせて漉
いた紙を何枚か重ね合わせて乾燥させることもあるが、普通は1枚だけで完全な紙とする。これに対して韓国
では、紙は必ずといっていいほど紙を重ねて乾燥させる。それは漉きあがった紙の厚さが均等になりにくい漉き
方をしているためであって、その紙の厚さを均等にするために紙を2枚も重ねて乾燥させ、1枚の完成した紙に
仕上げるのである。こうして重ねると、繊維の絡んだ方向が較差するため、破れにくい紙になるのである。
このような韓紙古来の強靭さと潤沢の特徴は、朝鮮後期の製紙業の衰退とともに次第に失われてきたが、
韓紙の生命として長年にわたって維持されてきたものである。

しかし、その長い歴史も日本の植民地期の製紙政策により大きな転換点を向かえることになる。韓紙は当時
日本ではやっていた改良抄紙法(紙漉き法)の導入によりその原料、漉き方、規格、さらには名称までが変わり、
それまでの韓紙(朝鮮紙)の特徴はこの時期を境にかなり失われるのである。

当時の韓紙は、規格が一定でなく、原料として高い楮を使用したため単価が高く、別個に漉いた2枚の紙を
張りつけて1枚にするという非経済的な漉き方であった。また、大抵は家庭の副業として行われていたため漉き
方の未熟さによる紙面の粗さも指摘されていた。それでも朝鮮紙としての特徴をしっかり備えていた。しかし、
朝鮮総督府は経済性を優先させるあまり、韓紙の伝統性や特徴を失わせ粗悪紙にしてしまうことになった。
この時期に導入された日本式改良製紙術はその後全国に普及し、現在では伝統の漉き方より一般化している。
(以下略)

http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/bugai/kokugen/tagen/tagenbunka/vol4/pak4.pdf

>ロシア大蔵省が編纂した『韓国誌』にも「韓国産の紙は樹木の繊維で漉くのでその原料において西洋とは
>異なり強靭性があるので縄や網を作るのに良い」と記されている。
>高麗紙(韓紙)は絵を描くのに適当でなく、搗練しない物は毛羽が多く立ち、打った物はあまりにも堅く
>尚筆が滑りやすいので墨を吸わない。

ロシア人に「朝鮮紙は硬すぎて使い物にならないけど、縄や網を作るのに使えばいいんじゃね(藁)」とか言われてるしw
要するに、半紙どころか、画用紙にもならない紙。それが韓紙。
で、後に日本の技術指導によってやっとマトモな紙を作れるようになったとさ...
何故か、朝鮮人は感謝するどころか逆恨みしてるけどw