今月16日、国会議員会館のいくつかの議員室で小さな論争が起きた。在韓中国大使館が外交・安全保障通とされる数人の国会議員に招待状を送ってきたが、それに応じるかどうかという論争だった。招待状の内容は要約するとこうだ。

「中国共産党の中央党校(幹部養成機関)の何毅亭・常務副校長(閣僚級)を団長とする中国共産党代表団が21日から23日まで韓国を訪問する。訪問時に韓国の政・官・学・財界の関係者との交流を通じ、中国共産党第19回党大会の結果および中国の発展ぶりについて説明を行う。邱国洪駐韓大使の司会で懇談・晩餐会を開くので、議員を招待したい」

招待の文言の下には、参加者が120人前後で、服装は正装と書かれていた。

問題は招待状の内容よりも発送方法だった。在韓中国大使館の参事官クラスの職員が個別議員の補佐官、秘書官に携帯電話のメッセージやメッセンジャーで招待状を送ったからだ。中国に友好的な議員の事務所も「中国で最も重要な行事である党大会の結果を説明すると言いながら、メッセンジャーで招待状を送ってくることなどあり得るか」との声が漏れた。

ある議員事務所関係者は「国会議員にメッセンジャーで招待状を送りつけ、正装でいつ、どこに来いというのは、韓国国民をないがしろにする行為ではないか」と憤った。

在韓中国大使館は日程が5日後に迫っていたため、格式を重視して招待状を送ることが非効率的だと考えた可能性がある。しかし、個人間でも重要な行事に招待する場合、「モバイル招待状」だけ遅れば、「礼儀知らず」と言われるのが韓国文化だ。果たしてそんな事実を知らずに国会議員にモバイル招待状を送ったのだろうか。

韓中間のバランス軸が傾いているという指摘は数年前から出ている。中国側は韓中関係に複雑な問題が生じるたびに、韓国の大統領の電話に出ず、韓国の外交官に会わず、韓国側の行事に高官を送らないことで韓国に言うことを聞かせようとした。それをどうにかしようと韓国の歴代政権は大統領に最も近い実力者を駐中大使に据えた。

一方、その間にソウルに派遣された中国の外交官は何の制約もなく、韓国政府の幹部や国会議員と会った。邱大使は8月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領夫人の金正淑(キム・ジョンスク)女士と共に中国の画家の展覧会にも出かけた。韓国が派遣した有力な駐中大使も中国国家主席の夫人とは単独で会えないのに、中国外務省が韓国に送った局長級の大使はそれをやってのけた。

大統領夫人はたった一人だが、国会議員は299人いる。大統領夫人にも会える在韓中国大使が議員にモバイル招待状を送るというのは、ある意味当たり前かもしれない。それでも出席するという議員がいるというからなおさらだ。


2017/11/20 10:01
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