【魏志挹婁伝】
其人形似夫餘      その人の形は夫余に似る
人多勇力        勇気と力のある人が多い
其俗好養豬食其肉衣其皮 好んで豚を飼いその肉を食べその皮を衣とする
冬以豬膏塗身厚數分以御風寒 冬は豚の脂を厚さ数分身に塗って風寒を防ぐ
夏則裸袒以尺布隠其前後以蔽形體 夏は上半身裸で尺布を以て前後を隠し体を覆う
其人不潔       人は不潔である
作溷在中央人圍其表居 中央に便所を作り人はその周りに居る
東夷飲食類皆用俎豆唯挹婁不法俗最無綱紀也
東夷は飲食で皆まな板と高坏を用いる類いだが、挹婁のみが違い、最も無分別である

【魏志東沃沮伝】
挹婁喜乗船寇鈔 挹婁は乗船して攻め込み略奪することを喜びとしている

【晋書四夷伝】
肅慎氏一名挹婁    肅慎氏は一名を挹婁(ユウロウ)という
在不咸山北      不咸山(白頭山)の北に在る
父子世為君長     一系が代々君長となる
婦貞而女淫      婦人は貞淑だが女は淫らである
貴壯而賤老      若者を貴び老人を賤しむ
以足挾肉而啖之    足を以て肉を挟んでこれを食べる
得凍肉坐其上令暖   凍った肉を得るとその上に座って暖める
性凶悍        性質は凶悍である
以無憂哀相尚     憂い哀しまないことを以て相尚む
父母死男子不哭泣   父母が死んでも男子は泣かない
哭者謂之不      泣く者はこれを不壯と言う