11/21(火) 7:15配信
SankeiBiz

 経団連が、韓国の大学生を対象にした日本企業の就職セミナーを来春にもソウルで開催することが20日、分かった。日本では人手不足が深刻化する一方、韓国では若者の失業率が高く、大学生の就職難が社会問題化している。韓国の優秀な大学生を日本企業が雇い入れれば、両国の「雇用環境がわずかでも改善できる」(関係者)との期待がある。

 経団連は、韓国の経済団体「全国経済人連合会(全経連)」と共同でセミナー開催に向けた作業に入った。日本で働くケースのほか、現在は中途採用が大半を占める日本企業の韓国子会社や支社などで、大学・大学院の新卒者採用を増やす考えもある。

 韓国の大学生は、英語力やITリテラシーが高いとされ、ある日本の大手人材派遣会社は、情報システムのアウトソーシング(外部委託)事業で韓国人エンジニアを大量採用している。このため、経団連が予定する就職セミナーでも、人手不足に悩む日本の情報通信やインターネットサービス関連の企業が多く参加するとみられる。

 現在、韓国の新卒者の就職は日本とは逆の「買い手市場」だ。もともと、高い給与を得られるサムスン電子やLG電子、現代自動車など大手財閥系企業に就職できるのはごく一部で、日本のように有力な中堅・中小企業は育っておらず、優秀な人材でも職を見つけるのは難しい。

 それに加え、在韓米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備をめぐって、韓国企業に対する中国の経済報復が長期化。業績低迷のあおりを受けた大手企業が採用を減らしているため、今後3年間は、過去最悪の「就職氷河期」になると予想されている。実際、10月の韓国の失業率は3.4%だが、15〜29歳の若年層に限ると9.2%に跳ね上がる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171120-00000004-fsi-bus_all