アジアサッカー連盟(AFC)は、香港のサポーターが試合前の国歌演奏の際、中国の国歌にブーイングを浴びせたとして、香港サッカー協会に罰金3千ドル(約34万円)の支払いを命じた。決定は15日付。香港では、サッカーの代表戦のたびに中国の国歌に対するブーイングが続いており、AFCは今後も繰り返されれば、さらに厳しい処分を科すと警告した。

 問題の試合は、11月14日に開催されたアジアカップ(AFC主催)予選の香港対レバノン戦。AFCの規定では、観客が政治的な主張など不適切な行為をおこなった場合、ホームの協会が責任を持つなどと定められている。同協会は2015年にも、中国の国歌に反発したサポーターがブーイングをしたとして、国際サッカー連盟から罰金を科された。

 中国は11月、香港の「憲法」にあたる香港基本法を改正し、中国の国歌に対する侮辱行為を禁止する「国歌法」を付属文書に盛り込んだほか、中国の刑法も改正し、国歌侮辱行為への罰則を最長懲役3年に厳罰化した。香港は「一国二制度」で高度な自治が保障されているため、今後、香港側で立法措置が講じられた後に適用される見通し。香港の民主派からは「表現の自由が後退する」との懸念がでている。(香港=益満雄一郎)

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