https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171229-00050085-yom-soci

 天皇陛下が1990年、当時の盧泰愚(ノテウ)・韓国大統領を迎えた宮中晩餐会(ばんさんかい)のお言葉で、日韓の歴史に言及しながら表明された「痛惜の念」は、陛下のお気持ちをくみ、政府が盛り込んだ表現だったことがわかった。

 当時の首相海部俊樹氏(86)が読売新聞の取材に明らかにした。このお言葉は、昭和天皇が84年に伝えた「遺憾」よりも、踏み込んだ表現を求めていた韓国側に高く評価されたが、政府は内閣で調整したという説明にとどめていた。

 盧氏の日本への公式訪問は、韓国大統領としては84年の全斗煥(チョンドゥファン)氏に続いて2人目で、平成では初めてだった。84年当時、昭和天皇が宮中晩餐会で、全氏に「両国の間に不幸な過去が存したことは誠に遺憾」と伝えたが、韓国側には「誰の責任か不明確だ」と不満が残った。6年後、盧氏の来日が決まると、韓国側は天皇陛下のお言葉でより踏み込んだ内容を求めた。