日本の茶道の起源は中国? その見方は間違っている! =中国メディア
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かき氷にアイスクリーム、パンやクッキー、ケーキなど、さまざまなスイーツに用いられる「和」な緑色の粉といえば、抹茶である。
抹茶を使ったスイーツは、日本人のみならず中国人をはじめとする外国人にも大人気だ。
一方、中国のネット上では「抹茶の起源は中国だ」と主張する向きも見られる。
そんな中、中国メディア・澎湃新聞は8日、「みんな日本の茶道の起源は中国って言うけど、これって本当なの」とする文章を掲載した。

文章は「日本の茶道は、古代中国における茶の飲み方だ」、「われわれの茶の伝統を完全にとどめている」、
「抹茶はわれわれが捨て去った飲み方だ」といった声がしばしば聞かれるとし、
「日本の抹茶道は中国人に『伝統的な中華茶文化の遺留物』というイメージを与えるようだ」と説明。
そのうえで、日本の茶道が「外来的要素を取り除き、自らの文化的アイデンティティを構築する」をテーマに発展してきたと解説した。

茶室や茶器のスタイルといった外的な部分で中国的な要素が排されると同時に、
内在的な部分においても仏教や神道、美学、工芸といった要素が徐々に取り入られるようになり、
「侘び」という文化的な理想が形成されたと論じている。

さらに、中国の茶道が茶をいれる技術にフォーカスされているのに対して、日本の茶道は必ずしも茶を点てるテクニック自体を重視せず、
その周辺に存在する事柄にまでこだわりを持つものであることを紹介。
また、中国では茶の香りが愛される一方で「草の味」を排除する事への追求が一貫して行われたのに対し、
日本の茶文化はむしろ「青さ」を残すスタイルが主流になっている点についても言及した。

文章は、これらの理由から「日本の抹茶道は唐や宋の時代のスタイルに似てはいるが、
もはや中国人のイメージにある『中華茶文化の遺留物』ではないのである」とした。

また、抹茶がスイーツや麺などに広く応用されていること、日本文化のトレードマークになっていることを挙げ、
「外来文化をどのようにして見事に自分の文化と融合させるか、という点で良い勉強になるかもしれない」と結んだ。

中国の伝統医学が古代に日本や朝鮮に伝わり、それぞれ現地の文化や気候風土と結びつきながら独自の発展を遂げ、
「漢方医学」、「韓医学」という医学を生み出した。茶や茶道の発展も同じことが言える。

ルーツに敬意を払うことは悪いことではないが、その議論よりも大切なのは、過去の足跡から学び、
よりよい方向へと発展させていこうとする姿勢ではないだろうか。