安倍首相が、日本国内で賛否両論のあった自身の平昌五輪への出席をめぐり、ついに「開会式に出席する」との意向を明らかにした。

 とりわけ安倍首相は文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談に意欲を示しており、摩擦が強まっている韓日間の慰安婦合意問題をめぐって両首脳がどのような話し合いを繰り広げるかが注目される。

 しかし、この問題では両国の立場に大きな開きがあるため、基本的な立場を主張し合うだけのぎくしゃくした会談になる可能性が高い。ただ慰安婦合意問題による摩擦が高まって以降、両首脳が顔を合わせるのは初めてとなるため、平昌五輪は韓日関係の大きなヤマ場になると予想される。

■安倍首相、なぜ出席に転じた?

 安倍首相は24日付の産経新聞とのインタビューで、平昌冬季五輪に出席し、文大統領に「慰安婦合意をめぐって韓国が一方的に新たな措置を要求するのは受け入れられない」と直接伝える意向を示した。

 安倍首相の平昌五輪出席をめぐっては、自民党内の重鎮たちから相次いで出席を促す意見が出される一方で、世論調査では過半数が「出席する必要はない」と答えていた。そのため安倍首相は、出席はするものの韓国に言うべきことは言うという形で、党内の意見と世論の双方に配慮した決定になったとみられる。

 また、2020年東京五輪の開催国として、直前に隣国で開催される五輪に出席しないことも問題だという考えも働いたとみられる。南北対話が進展し、韓半島(朝鮮半島)情勢が急変していることも出席を決めた要因の一つと解釈されている。

 安倍首相はこれまで平昌五輪への出席をめぐり、国会日程などを理由に返答を留保していた。慰安婦合意問題で韓日関係が悪化する中、日本政府内でも賛否両論が渦巻いている上、日本国民の反発も強まっていたからだ。

 しかし、16日に自民党の二階俊博幹事長が、安倍首相の平昌五輪開会式への出席について「出席できるよう国会日程を調整する」と述べるなど、自民党の重鎮たちが出席を後押しするムードだったため、安倍首相も出席に傾くのではないかとの見方も広まっていた。

■韓日首脳の話し合い、内容は

 安倍首相は22日、45分にわたる国会での施政方針演説で、韓国について「文在寅大統領とは、これまでの両国間の国際約束、相互の信頼の積み重ねの上に、未来志向で、新たな時代の協力関係を深化させていく」とわずか一文しか述べなかった。

 2013年以降、安倍首相が演説で必ず言及していた「韓国は戦略的利益を共有する重要な隣国」という表現は使われなかった。慰安婦合意に関する韓国政府の新方針に対し、安倍首相の不満が遠まわしに表現されたものとみられる。

 平昌五輪への出席が、首相官邸からの公式発表ではなく、右翼傾向の産経新聞とのインタビューを通じて明らかになったことも注目される。さまざまな状況を考慮した上で平昌五輪への出席を決めたものの、喜んで出席するわけではないという本音をにじませたと解釈できる。

 安倍首相が述べた通り、文大統領との会談で慰安婦合意をめぐる韓国政府の新方針に抗議し、韓日関係が今以上に悪化するのか、または関係改善の糸口となるのか、今後の展開が注目される。

チョ・ユンヨン特派員

ソース:NEWSIS/朝鮮日報日本語版<平昌五輪:安倍首相は「渋々出席」、韓日関係の改善は>
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/01/24/2018012403195.html