■ 市街地で再現パレードも
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江戸時代の外交資料「朝鮮通信使に関する記録」が昨年10月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の
「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されたことを祝う対馬市主催の記念行事「朝鮮通信使の集いIN対馬」
が25日、市内で開かれ、共同申請して登録をけん引した韓国、対馬双方の団体トップが登録の喜びとさら
なる友好の発展を誓い合った。
 
式典に先立ち、市街地では当時の衣装を着た関係者約150人が通信使行列を再現したパレードを実施。
その後の式典の冒頭、パレードで正使役を務めた韓国・釜山文化財団の柳鍾穆(ユジョンモク)代表理事と、
対馬藩主役のNPO法人「朝鮮通信使縁地連絡協議会」(縁地連)の松原一征理事長が、当時の衣装姿の
まま登壇した。
 
市民や両国関係者ら約300人が見守る中、2人は通信使がやりとりしたという「国書」交換を再現。縁地連の
松原氏が「通信使の『誠信交隣』の誠信を東アジア、世界に広げていきましょう」との国書を読み、釜山文化
財団の柳氏も「日韓関係の新たな出発点に」と返して手を取り合うと、会場から大きな拍手を集めた。
 
柳氏は国書交換後、取材に対し「登録は感無量。縁地連と民間レベルでの交流の結果が結実した。この
通信使の歴史は世界の平和教育にも生かせるのではないか」と語った。松原氏も式典後の記者会見で
「登録の喜びをあらためてかみしめている。誠信の交わりを世界に広めていくことが目標」と語った。
 
登録を受け、対馬市は通信使に絞った資料館の建設を検討している。記者会見に同席した比田勝尚喜市長
は「資料館をできるだけ早くつくりたい」と力を込めた。
 
この日の式典ではこのほか、県の学芸員が世界記憶遺産に登録された333点のうち、市内にある朝鮮国
信使絵巻(上下巻)など5点の資料を解説。18世紀はじめの対馬藩や朝鮮通信使などを描いた時代小説
「韃靼(だったん)の馬」を著した小説家、辻原登さんの特別講演などもあった。

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▲ 「国書」を交換する共同申請団体の釜山文化財団の柳鍾穆代表理事(左)と「朝鮮通信使縁地連絡
協議会」の松原一征理事長

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▲ 朝鮮通信使の再現パレードでは日韓の約150人が市街地を練り歩いた

ソース:西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/397012/