【シンガポール=吉村英輝】米朝首脳会談から一夜明けたシンガポールでは13日、会場や首脳の宿泊先などで、撤収作業が進められた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が滞在した中心部のセントレジスホテル周辺では、警備に使われた看板や検問所などが同日朝までに撤去された。

 ただ、同ホテル内への外部者の立ち入りは引き続き禁じられた。北朝鮮は12日の首脳会談の署名式で、用意されていたペンを使わずに自分たちのペンを使うなど、金正恩氏が触れるものに細心の注意を払った。指紋情報の流出などを避けるためだとの指摘があり、ホテルでも入念に“後片付け”を進めたようだ。

 一方、シンガポール当局は、セントレジスホテル周辺などで横断幕を広げ北朝鮮へ抗議活動をした韓国人の女5人を逮捕するなどした。また、北朝鮮大使公邸に侵入したとして逮捕した韓国KBS放送の記者2人を国外退去処分にした。

 シンガポール政府は、首脳会談のため約5千人の警備要員を配置。入国管理当局により、テロ活動が疑われる4人を入国拒否したことなどを公表したが、大きな事件や混乱は起きなかったとしている。

http://www.sankei.com/smp/world/news/180613/wor1806130062-s1.html