米中貿易摩擦が経済戦争レベルに達している。しかし、ゲームの勝敗は既に米国の圧倒的優勢との見方が大勢だ。先月初め、米国が340億ドル規模の中国からの輸入品に25%の追加関税を適用し、中国が直ちに同様の措置を取った時点では互角とみられていた。

しかし、米国が2000億ドル規模の中国製品に10%の追加関税をかけて報復すると、全てが沈静化した。中国は再報復を事実上放棄した。

これは中国が善人になったからではない。両国の国力の差が歴然としており、貿易戦争が長期化すれば、中国が言う「目には目を歯には歯を」という対等な報復が不可能だからだ。貿易戦争の渦中でも米国経済は完全雇用状態で、13年ぶりに3%台の経済成長を問題なく達成する見通しだ。

一方、中国経済は生産、消費、投資が急減し、警告灯が随所にともった。上海総合株価指数は年初来25%下落。1−7月の中国の固定資産投資伸び率は過去23年で最低となった。

最初から中国には勝ち目がないゲームであることが明確だったのだが、それを悟るまでに韓国にはなぜ長い時間が必要だったのか。

最近まで米中経済摩擦に関する研究報告やメディア報道は、誰が見ても両国が対等の力を持っていると誤解しやすいものだった。これは米国と対等な超大国・中国に対する先入観が韓国人に根付いているためだ。

中国に対する幻想の原因はさまざまだが、「中国はあまりに大きい」という威圧感が中心にある。中国の急速な経済膨張は規模の圧力を倍加させた。

さらに、中国にあこがれる韓国の伝統的なムードも一因となった。さらに決定的なのは、米国が中国に与えた「G2」という用語だった。全世界のどこにも「G2」という用語を韓国ほど多用する国は存在しない。

10年余り前、米国が中国を「G2」と呼び、中国を立てた本音は別のところにある。「中国は米国と対等なレベルに成長したのだから、大国として国際的義務を果たせ」という意味だった。

米国の狙いを見破った中国は「G2」という用語を拒否した。最近中国外相が「中国は開発途上国にすぎない」と訴えたのは、そうした現実認識を示すものだ。中国が拒否した用語を韓国が愛用するというのは皮肉だ。

世の中には最も強大な国が二つあり、両者の力は対等だという考えが韓国国内で根づいているが、今回の米中経済戦争は「中国=G2」だという韓国人の幻想を打破する過程だとも言える。


2018/09/01 05:02
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