(朝鮮日報日本語版) 【社説】極度の不振にあえぐ現代自動車、不吉な現象が相次ぐ韓国経済

10/27(土) 8:11配信
朝鮮日報日本語版

 韓国の自動車生産の80%を占める現代・起亜自動車の今年7−9月期の営業利益が前年比で4分の1に減少した。売上高に対する営業利益率は現代自動車1.2%、起亜自動車0.8%で、預金金利にもならない水準だ。米国・中国市場から締め出され、インド・東南アジアといった新興国市場でも売上を減らしている。自動車景気が悪いわけではない。トヨタやフォルクスワーゲンなど世界「ビッグ4」の営業利益率は今年上半期に5%を超えた。韓国だけが総体的に不振に陥っている。韓国の自動車産業が競争力を失い、衰退の道をたどっているということだ。

 現代・起亜自動車の急降下の原因は「この価格で購入する理由があるのか」という一言に尽きる。ブランド力で競合他社に後れを取っているのに、価格競争力でも急速に低下している。現代自動車が米国市場の戦略輸出品として重点を置いている「ジェネシス」は、トヨタ「レクサス」のような競合車種に比べて決して安いとは言えない。日本政府の円安政策で現代「ソナタ」の米国国内における販売価格は、日本の競合車種トヨタ「カムリ」を上回るという逆転現象が起きた。だからといって現代の品質やブランド価値が優れているわけでもない。米国・中国などの主力市場では「同じ値段なら韓国車を買う理由はない」という消費者の認識が広がっている。

 経営陣の革新不足と強気な貴族労組(労働貴族)の高賃金闘争がこうした結果を生んだ。経営陣は技術と品質の新たな技術革新を成し遂げるのに失敗した。スポーツタイプ多目的車(SUV)に移りつつあった市場のトレンドさえまともに読めなかった。世界最悪の強気な労組は現代自動車の低効率・高コスト構造を完全に固着させてしまった。現代自動車蔚山工場の労働者の平均賃金は世界1位メーカーであるフォルクスワーゲンの8040万ウォン(約790万円)より1000万ウォン(約98万円)以上高い。生産性は競合他社の工場に後れを取りながら給与ははるかに高いのだ。それでも現代自動車労組は今年も2回、部分ストを行った。このような会社がうまく行くとしたら、それは奇跡だ。 

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