農水省は中国産稲わらの輸入を一時停止、ウイルスの流入阻止へ

稲わらは和牛生産に欠かせない飼料、和牛の胃腸の調子整える


中国でアフリカ豚コレラ(ASF)が発生した影響が和牛に及んでいる。

  和牛飼料の稲わらは中国産に依存している。稲わらは、高カロリーで高タンパク質の穀物を与えられる和牛の胃腸の調子を整える大切な飼料だ。稲わらに付着する恐れのあるASFウイルスの国内への流入を阻止するため、中国産稲わらの輸入を制限する必要があり、農林水産省は中国産稲わらが全く供給されなくなる可能性もあるとしている。

  農水省は既に、日本向け輸出認可を受けている稲わら加工施設計80カ所のうち25カ所からの稲わら輸入を一時停止している。これら25カ所は、ASFが発生した養豚場から半径50キロメートル以内にある。

和牛に影響

アフリカ豚コレラ発生で中国産稲わらの輸入が減少


  農水省動物衛生課の井川真一・課長補佐によると、残りの55カ所も、ASFが発生した中国北東部の遼寧省と吉林省にあるため、リスクにさらされている。遼寧省はASFの発生箇所が最も多く、9日時点で21農場、6村となっている。
  
  井川氏は同日のインタビューで「今後もアフリカ豚コレラが中国で拡大し続ける可能性を考えると、稲わらの調達先として代替を確保するか、稲わらの代替を探さないとならなくなるだろう」と述べた。

  農水省によれば、中国からの稲わら輸入は昨年実績で約20万5000トンで、国内で飼料用として必要な稲わらの量の約2割を占める。残りは国内で調達されている。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-12/PI27XZ6JIJUP01
ブルームバーグ 2018年11月13日 7:17 JST