河野太郎外相と韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は12日、日本企業に元徴用工への賠償を命じた一連の韓国最高裁判決への対応について電話で約30分間、協議した。韓国側が日本企業の資産を差し押さえた場合、両国の関係悪化は避けられないため、両外相で引き続き緊密に意思疎通することを確認した。

両外相の電話協議は、最初の新日鉄住金に対する賠償判決を受けた10月31日以来。外務省関係者によると、韓国政府が検討する対応策などの進捗(しんちょく)を聞くため、日本側から電話したという。

 河野氏は、元徴用工への賠償を含む請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだと改めて表明。原告側が日本企業に24日までに賠償に応じるよう求めたことに懸念を示し、韓国政府に賠償の肩代わりなどを要請した。韓国外務省によると、康氏は司法判断を尊重するという韓国政府の立場を説明した。

 日本政府は、韓国側の対応を見極めつつ、国際司法裁判所(ICJ)への付託など対抗措置を準備する。外務省幹部は「韓国政府が真剣に対応策を検討するなら待つ。対抗措置に踏み切る期限は設けていない」と語った。

 この問題を巡っては、日韓議員連盟(会長・額賀福志郎元財務相)が訪韓し、14日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談する予定。政府関係者は「韓国は日韓関係への危機認識が薄く、日本側の厳しい空気を伝える必要がある」と述べた。【秋山信一、ソウル渋江千春】

https://mainichi.jp/articles/20181212/k00/00m/010/185000c
毎日新聞 12月12日 20時16分