政治安定の確保に向け取り組み強化の必要性訴え

習主席は地方政府幹部や閣僚らと異例の会合開催

中国の習近平国家主席は同国指導部との異例の会談で、政治的安定を維持する必要性を強調した。景気減速の社会的な影響について共産党が懸念を強めている兆候が再び表れた。

  習主席は21日に北京で開いた地方政府幹部や閣僚との「セミナー」で、共産党は「主要なリスクを防ぎ、解決する」取り組みを強化する必要があると主張した。国営新華社通信が報じた。習氏は指導部が抱える懸念分野について、政治やイデオロギーから、経済、環境、外部状況まで幅広いとの認識を示した。

新華社によると、習主席は「長期的統治の維持や、改革・開放、市場主導の経済、外部環境という点で、共産党は長期的かつ複雑な試練に直面している」と発言。「共産党は精神の緩みや能力の欠如、国民との距離、受動的で腐敗しているといった急激かつ深刻な危機に直面している。これは実際の状況に基づいた総合的な判断だ」と話した。

同主席は2018年2月を含め、これまでも同様の警告を発してきたが、この日の発言には緊急性が高まったことを示す文言が盛り込まれた。党の「長期的統治」に対する「深刻な」脅威という言い回しは、これまで登場したことがなかった。今回の会合は部外者の入場が禁じられ、主席の発言全文は今のところ公開されていない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-21/PLOUBF6VDKHS01
ブルームバーグ 2019年1月22日 1:52 JST