防衛省海上幕僚監部は19日、今月25日からアジア太平洋諸国の海軍大学教官を対象にしたセミナーを海上自衛隊幹部学校(東京都目黒区)で開催し、韓国海軍も参加すると発表した。昨年12月のレーダー照射問題後、公表される初の防衛交流となる。

◇人的交流で信頼関係構築
 レーダー照射問題などで冷え切っている日韓関係だが、海自トップの村川豊海上幕僚長は19日の記者会見で、「セミナーに韓国から参加を得られることは、地域の安全保障に資する」と述べ、防衛交流継続の重要性を強調した。

 セミナーは今回で22回目。中国、韓国、インド、米、英、オーストラリアなど18カ国の海軍大学の教官らが参加し「自由で開かれたインド太平洋における海軍間の協力」などをテーマに意見交換する。韓国からは中佐が1人参加する予定。横須賀基地(神奈川県)所属部隊での研修もある。

村川海幕長は韓国に対して「レーダー照射事案については事実を事実として認定し、再発防止に努めてもらいたいという考え方に変わりはない」と述べた。その上で、「韓国は日韓、日米韓を含めこの地域の平和と安定を図る上で極めて重要な国だ。人的交流を通じた信頼関係の構築を引き続き実施していく」と話した。

 ◇防衛相も「日米韓の連携重要」
 岩屋毅防衛相も19日午前の記者会見で、「韓国側にレーダー照射の事実を認め、再発防止を図られたいということを申し上げている。この姿勢に変わりはない」とする一方で、「この地域の安全保障を考えたときに日米韓の連携というのは極めて重要だ」と指摘。
 「レーダー事案については、しっかりと私どもの考えを伝えた上で、防衛交流については適宜適切に判断し、できるものは続けていく方針で取り組んでいる」と説明した。また、「韓国サイドにも私どもの思いは届いているのではないかと思う」と語った。(時事通信社編集委員 不動尚史)。(2019/02/19-18:51)

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記者会見する海上自衛隊トップの村川豊海上幕僚長=19日、防衛省

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防衛省で記者会見する岩屋毅防衛相=19日午前