文在寅大統領(66)の“迷走外交”が止まらない。3月25日、三菱重工の資産を差し押さえた韓国の裁判所。資産の中には三菱重工のロゴマークの商標権まで含まれており、仮に原告側が商標権を売却した場合、韓国で自由にロゴマークが使えなくなる。

「異常判決を容認してきた文氏は、28日の日本企業幹部らとの懇親会で『経済的交流は政治とは別に見るべき』と言い出しました。世論に迎合して反日を打ち出した文氏ですが、ここに来て、それが失敗だったと批判されている。しかも国内経済は悪化する一方。そうした焦りから日本の投資を促す発言に及んだのでしょう。しかし、出席者は『何を今更』と不快感を漏らしていました」(ソウル特派員)

 対日外交だけではない。3月の東南アジア歴訪で目立ったのが「外交欠礼」(相手国への非礼な言動)だ。イスラム教国のブルネイでは飲酒禁止にもかかわらず、国賓晩餐会で乾杯を求めた文氏。グラスには水やジュースが入っていたが、ブルネイ王族らは抵抗し、乾杯に応じなかったという。カンボジア訪問の際には、大統領府のSNSに同国ではなく、台湾施設の写真を掲載。さらにマレーシアのマハティール首相にマレーシア語ではなく、インドネシア語で挨拶し、顰蹙(ひんしゅく)を買った。なぜこんな事態が頻発するのか。

大統領府は外交素人のイエスマンばかり

「文氏は『積弊清算』の下に、経験や能力を持った外交官を追い出し、大統領府のイエスマンに頼っています。確かに大統領府は500人体制で、ホワイトハウスより100人以上多く、秘書室の予算も初めて900億ウォン(約90億円)を上回りました。しかし、彼らは外交の素人ばかり。例えば、昨年10月のアジア欧州会合で文氏はエレベーターに乗り遅れ、首脳の記念写真に加われず、メルケル独首相主催の夜会合にも呼ばれなかった。基本的なロジスティックスすらできないのです」(同前)

 マレーシアの件も大統領府は「大統領府内にはマレーシア語を知っている人がいなかったから」と弁明したが、

「事前に発言を外交部に確認させておけば、こんな失態は犯しませんでした。文氏は外交の原則や戦略を蔑(ないがし)ろにして、目先のパフォーマンスにばかり力点を置いてきた。その弊害が一気に噴出し始めているのです」(同前)

 自業自得という他ない。

https://bunshun.jp/articles/-/11361
文春オンライン 2019年4月9日(火)