【ワシントン=岡部雄二郎、横堀裕也】訪米中の文在寅ムンジェイン韓国大統領は11日昼(日本時間12日未明)、トランプ米大統領とホワイトハウスで会談する。両氏が顔を合わせるのは、北朝鮮の非核化を巡る2月末の米朝首脳会談が物別れに終わって以降で初めて。文氏はトランプ氏に北朝鮮への歩み寄りを促し、非核化協議の早期再開につなげたい考えだ。

文氏は会談で、中断している南北協力事業「開城ケソン工業団地」「金剛山クムガンサン観光」の再開を対北朝鮮制裁の例外措置として認めるようトランプ氏に直接働きかけるとみられる。米国は非核化が実現するまで制裁を維持する方針だが、韓国は、非核化に一定の進展があれば経済的な見返りを与えるべきだとの立場だ。

 文氏は11日午前、トランプ氏に先立ち、ポンペオ国務長官、ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官と会談した。韓国大統領府の発表によると、文氏は「トップダウン方式で成果を確保することが必要だ」と述べ、3回目の米朝首脳会談の必要性を強調した。ポンペオ、ボルトン両氏は北朝鮮との交渉を続ける考えを示した。

 ポンペオ氏は10日の上院外交委員会の公聴会で、今後も制裁を維持すると述べつつ、非核化に「重大な進展」があった段階で見返りを与えることについて「若干の余地を残したい」と証言した。柔軟な交渉姿勢を示すことで、対話の機運を保つ狙いがありそうだ。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20190412-OYT1T50014/
読売新聞 2019年4月12日(金) 00:33