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北朝鮮外務省は、アメリカ政府が国連安全保障理事会の制裁決議に違反したとする北朝鮮の貨物船を差し押さえたことについて、「強奪だ」として返還を求めたうえで、米朝首脳会談での合意の精神を全面的に否定するものだと反発しました。

アメリカ司法省は、北朝鮮による石炭の輸出を全面的に禁止した国連安保理の制裁決議に違反して石炭の輸出に使われたとして、北朝鮮の貨物船「ワイズ・オネスト」(1万7061トン)を差し押さえたと9日、発表しました。

これについて北朝鮮外務省の報道官は、14日、談話を発表し、「制裁はわが国の自主権を侵害するもので、われわれは今までこれを全面的に退け、糾弾してきた」として、制裁決議は受け入れられないとする姿勢を強調したうえで、「差し押さえは強奪行為だ」として返還を求めました。

そのうえで、「圧力でわれわれを屈服させようとするアメリカのやり方の延長だ。新しい関係を樹立することを約束した首脳会談での合意の基本的な精神を全面的に否定するものだ」と反発しました。

北朝鮮は、完全な非核化まで制裁を解除しないとするアメリカの立場は一方的で受け入れられないと批判を強めていて、今月には国連決議に違反する短距離弾道ミサイルの発射を行うなど、トランプ政権に揺さぶりをかけています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190514/k10011915611000.html
NHK 2019年5月14日 15時08分