→USTRは6月17日の公聴会開催を発表、携帯など生活必需品含む

→トランプ大統領は大阪G20に合わせて習国家主席と会談する意向

米通商代表部(USTR)は13日、最大25%の追加関税を賦課する予定の中国からの輸入品3000億ドル(約33兆円)相当について、今後の手続きと詳細なリストを公表した。米当局者の説明によれば、公聴会などを経て発動は早くて6月終盤となる見通し。

  トランプ米大統領はこの日これに先立ち、6月下旬に大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせて中国の習近平国家主席と会談する計画を明らかにしており、両国間の溝が一段と深まる中で会談が実現すれば、極めて重要な意義を持つ。

USTRは産業界などから追加関税計画に関する意見を募るとともに、6月17日に公聴会を開くとしている。追加関税の対象には子供服や玩具、携帯電話、ノートパソコンなど生活必需品が含まれる。医薬品もしくはレアアース(希土類)は適用除外とする方針。

  トランプ大統領が新たな追加関税の導入に踏み切れば、中国からの輸入品のほとんど全てが米制裁関税の対象となる。また、トランプ氏が再選を目指す中で、米中貿易戦争の影響が多くの米有権者の懐を直撃することにもなる。

  トランプ大統領が習主席と会談するとしているG20大阪サミットは6月28、29両日に開かれるため、米国の新たな対中追加関税が同月終盤に発動することになれば、既に激化している貿易戦争を巡るリスクはさらに高まる見込みだ。

  中国財政省は13日、米国からの輸入品600億ドル相当に6月1日から追加関税を課す報復措置をウェブサイトで発表。トランプ大統領が「中国は報復すべきではない。 悪化するだけだ!」との警告をツイート後、2時間足らずでの発表だった。25%の新税率が2493品目に適用され、他の製品も5−20%の関税の対象になるという。

  トランプ大統領は13日、中国の報復措置公表を受け、「ある程度の報復はかまわないが、極めて大規模な報復であってはならない」と述べ、中国に対して米国の通商措置に過剰反応しないよう求めた。ハンガリーのオルバン首相との会談に際し、ホワイトハウスで語った。

米景気後退も

  トランプ大統領は同日夜、中国との通商協議が成功するかどうか「3、4週間程度」で分かるだろうと発言。「どうなるか知る由もないが、大成功を収めると感じている」と話した。

  エコノミストは現行関税の下でも米経済成長が抑制されると警告してきた。今後、中国からのほぼ全ての輸入品に追加関税が賦課され、中国によるさらなる報復措置が取られれば、米経済は一段と深刻な打撃を受け、リセッション(景気後退)入りする恐れがあると懸念している。

  ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらはリポートで、米関税引き上げにより、米金融当局が重視する基調インフレ指標は押し上げられる見通しであり、貿易摩擦がさらに激化すれば消費者物価は一段と上昇し、米経済成長を抑制しかねないと分析した。

  中国の関税引き上げは、米国が先週、中国からの輸入品2000億ドル相当への米追加関税率を従来の10%から25%に引き上げたことへの報復措置だった。トランプ大統領は13日、合意がまとまりつつあったのに中国が約束を破ったと非難。「中国の習主席と私の多くの友人に対し、もし合意に至らなければ企業は中国を脱出せざるを得なくなるため、極めて大きな打撃を受けると警告したい。素晴らしい合意がほとんどまとまっていたのに、中国は後退した!」とツイートした。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-05-13/PRFA1D6S973M01
ブルームバーグ 2019年5月13日 12:33 JST 更新日時 2019年5月14日 10:44 JST

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