(台北 31日 中央社)国連専門機関、国際民間航空機関(ICAO、本部カナダ・モントリオール)の第40回総会が今年9月に開会するのを前に、自民党の上畠寛弘神戸市議が30日、台湾のICAO総会参加や正式加盟を支援するよう日本政府に求める要望書を国土交通省の阿達雅志政務官に提出した。上畠氏によると、阿達政務官からは、台湾の不参加は国際民間航空の安定に関わる問題だとの立場が表明されたという。 

ICAOは国際民間航空の持続的成長を目指す機関で、テロ対策などのための条約や国際航空運送の安全・保安に関する国際標準などを作成している。今年4月現在、193の国・地域が加盟。全加盟国が参加する総会は少なくとも3年に1度開催されており、今年9月24日から10月4日まで第40回総会が開かれる。 

中華民国(台湾)は1944年、創設メンバーとしてICAOに加盟。71年に国連を脱退して以降はICAOから排除されているが、2013年の第38回総会にはICAO理事会議長の招請を受けて「特別ゲスト」としての参加が初めて実現した。だが、2016年の第39回総会には招かれなかった。 

要望書は上畠氏が個人で提出。東京・永田町の参議院議員会館で阿達氏に手渡した。要望書では、台北飛行情報区を通過する路線の拡大や日本と台湾の交流人口の増加などに触れ、「台湾がICAO総会に継続的に参加することは、国際航空運送業務の健全な発展と安定に貢献し、邦人往来数や貿易額を鑑みても、我が国の国益につながる」と指摘。国際社会の平和的発展と安定、台湾を往来する日本国民の安全確保のためにも日本政府、国土交通省が台湾のICAO総会参加と正式加盟を支持し、支援することを「強く要望する」と強調した。 

上畠氏は取材に対し、今後は神戸市会の有志議員や近隣市の議員とも台湾のICAO参加について話し合っていく考えを示した。 

(名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201905310001.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/05/31 11:46

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国土交通省の阿達雅志政務官(右)に要望書を手渡す上畠寛弘神戸市議=上畠氏提供