聯合ニュースTVとその親会社の聯合ニュースに対し、韓国大統領府は「政府がニュース使用料を支払う必要があるのかという指摘がある」とした上で、今後も財政支援を続けるか綿密に検討する意向を明らかにした。聯合ニュースTVが先日の韓米首脳会談について報じた際、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の写真の下に北朝鮮国旗を映し出す大失態を犯したことが今回の発表のきっかけになった。

 聯合ニュースには毎年総額で300億ウォン(約28億円)の税金が投入されており、そこには「ニュース使用料」という名目の40億ウォン(現在のレートで約3億7000万円)に上る政府からの支援も含まれている。今回大統領府はこれらの支援中断をちらつかせる形で聯合ニュースに警告を行ったのだ。

 聯合ニュースTVによる今回の失態は悪意のない単純なミスで、同じようなグラフィック処理のミスはたびたび発生する。しかしニュースの内容は文大統領の外交政策を大きく宣伝するものだった。ところが文大統領の支持者らは聯合ニュースTVが大逆罪でも犯したかのように激しく非難した。影響で聯合ニュースTVは報道本部長を役職から外し、報道局長とニュース総括部長を解任するなど、11人の関係者を処分した。これとは別に放送通信審議委員会も聯合ニュースTVに対しマイナス点数を下すなどの処罰を行った。グラフィック処理のミスが起こるたびにこれほど厳しい処罰が下されるのであれば、今後生き残る放送局は一つもなくなってしまうだろう。

 今や政府の太鼓持ちとなった多くのメディアは、権力に対する監視や批判ではなく、逆に政府を批判する野党や少数メディアへの攻撃に熱を上げている。残念ながらこれが韓国における今のメディアの現状であり、もはや常識と言ってもよいくらいだ。そう考えると政府から資金援助を受けている聯合ニュースがどちらの側にあるかくらい、もはや改めて言うまでもないだろう。ところがその聯合ニュースでさえ気に入らないのか、政府は聯合ニュースに対し「今後も一層の努力が必要」などと注文した。いったいどこまでやれという意味なのだろうか。

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/06/05 10:01