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漆谷での部隊長就任式典で記念撮影

平沢でのTHAAD訓練に続き2度目の公開…星州基地の工事を進めろという圧力か

 在韓米軍は13日、慶尚北道倭館のキャンプ・キャロルにある高高度防衛ミサイル(THAAD)のランチャーの様子を公開した。在韓米軍の第35防空砲兵旅団はこの日、隷下部隊がフェイスブックに開設している広報アカウントを通して、THAADを背景に撮影された部隊長の離任・就任式典の写真をアップした。在韓米軍は今年4月にも、THAADの展開訓練の模様をフェイスブック上で公開したことがある、当時は京畿道平沢のキャンプ・ハンフリーズで、非活性化弾(INERT弾。実際には発射されない訓練用の弾体)を用いてTHAADの展開訓練を行う様子が公開された。

 最近米国は華為技術(ファーウェイ)問題、南シナ海問題をめぐって中国に対し攻勢的な姿勢を取っている。中国が激しく反対してきた「韓半島(朝鮮半島)のTHAAD」を在韓米軍が繰り返し公開するのも、一種の対中圧迫だと解釈されている。

 今回公開されたTHAADは、今月12日の部隊長離任・就任式典で撮影したものだ。米軍は部隊旗を持ち、THAADおよびAN/MPQ53レーダー、パトリオットPAC3を背景に記念写真を撮った。この部隊は13日、式典の写真をアップすると共に「Stand or die」とコメントした。6・25戦争(朝鮮戦争)の英雄、故ウォルトン・ハリス・ウォーカー陸軍大将が残した言葉で、「守りきれなかったら死ぬだけ」という意味。

 韓国軍は、米軍の相次ぐTHAAD写真公開に困惑気味だ。今年4月にキャンプ・ハンフリーズでのTHAAD展開訓練の様子が公開されたとき、韓国軍は、当時の訓練に用いられたTHAADランチャーを「演習用のランチャー」と表現した。その後も「THAADのランチャーがもっとあるのではないか」という疑惑の提起に対して「通常の輸送車両に訓練用の模擬弾を上乗せしたもの」だと釈明してきた。今回、韓国国防部(省に相当)は「米軍は通常、離任・就任式典において、自分たちが運用している装備を背景に写真を撮ったりする。公開されたランチャーは訓練用の模擬弾を輸送車両に載せたもので、完全体ではない」とコメントした。

だが韓国軍内外からは、国防部の説明に対する反論の声が上がった。韓国軍の関係者は「指揮官の離任・就任式典で並べる装備が、当該兵科の運用する主力兵器システムだというのは常識。輸送車両にTHAADを積んだというのは話にならない」と語った。また韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「THAADのランチャーだけに付いているデュアル・エレクション・シリンダー(dual erection cylinders. 発射台を持ち上げる装置)やリア・スタビライザー(rear stablizer. 車体の安定装置)をある程度識別できる。訓練用のキャニスターをTHAADランチャーに据えたものとみられる」と語った。

 一方、米軍がTHAADの写真を公にフェイスブックなどにアップするのは「環境影響評価のせいで滞っている慶尚北道星州のTHAAD基地の工事を急いでスタートさせ、THAADの正式配備が可能になるようにしてほしい」という圧迫ということもあり得る−との解釈もある。韓国軍のある関係者は「正式ランチャーでもそうでなくとも、慶尚北道星州の砲台とは別の場所で訓練や整列をした写真を公開すること自体が異例」と語った。だが国防部は「星州基地に臨時配備された在韓米軍のTHAADシステムの最終配備をめぐっては、一般環境評価の結果に基づいて決定されるものであって、米軍もこれについてコンセンサスがある」としている。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/06/15/2019061580011.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/06/15 09:21