【北京=羽田野主】中国政府は21日、新疆ウイグル自治区は「史上最高の繁栄の時期を迎えている」と主張する白書を発表した。「社会は調和がとれ安定し生活水準も改善が続いている」とした。欧米社会は少数民族ウイグル族が同地区で100万人規模で拘束されており「人権侵害だ」と批判しているが、白書を通じて反論した。

中国政府は今年3月にも白書を公開しウイグル族の拘束は「テロを予防するための職業訓練が目的だ」などと主張した。短い期間に2度も白書を出して反論するのは習近平(シー・ジンピン)指導部が欧米社会の人権批判に警戒を強めていることの表れといえる。

今回の白書では「中国の内外に各民族の分裂を企てる勢力がいる」と言及。「新疆ウイグル自治区の独立を騒ぎ立てている」と述べた。そのうえで「新疆は中国の神聖で不可分の領土の一部分だ」と強調した。

ウイグル族の拘束問題を巡っては米国のペンス副大統領が18日に演説し「新疆ウイグル自治区で中国共産党は100万人以上のウイグル族を含むイスラム教徒を強制収容施設に投獄している」などと批判した。

日本と英国、フランスなど22カ国もウイグル族の拘束を問題視する書簡に連名で署名し、国連人権理事会に送付。この動きに対抗する形でロシアや北朝鮮、サウジアラビアなど37カ国は中国のウイグル政策を支持する書簡をまとめ、世界の関心が集まっている。

中国政府系の英字紙チャイナ・デーリーは今回の白書の内容を速報した。「複数の国や組織は新疆ウイグル自治区での取り組みを不公平に批判している」と指摘した。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47596070R20C19A7FF8000/
日本経済新聞 2019/7/21 14:33

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