3分の2以上賛成なら改憲発議可能

 日本の安倍晋三首相は21日、連立与党が勝利した日本の参議院選挙の結果をもとに、憲法改正のためにさらに一歩踏み出すものと予想される。安倍首相が推進している憲法改正案を国会で発議するには、参議院・衆議院とも3分の2の賛成が必要となる。衆議院では現在、自民党283議席、公明党29議席、日本維新の会11議席など、「改憲勢力」が全465議席のうち323議席を占め、改憲に必要な3分の2が確保されている状態だ。参議院議員の定員は今年3人増の245議席で、改憲発議には164議席必要だ。今回の選挙では開票の結果、自民・公明・日本維新の会など改憲勢力が85議席を確保すれば、選挙をしていない79人の改憲賛成議員と合わせて改憲発議が可能な議席数に達することになる。NHKは、今回の選挙の結果、「改憲勢力」が参議院の改憲ラインを確保する可能性もあると報じた。

 今回の選挙で改憲勢力が3分の2議席を確保できなければ、安倍首相が人為的な政界再編に乗り出す可能性も取りざたされている。東京大学大学院の内山融教授は19日、フォーリン・プレスセンター(FPCJ)で「安倍首相は(既存の改憲勢力のほかに)野党の国民民主党を含めて改憲連合を作ろうとしているようだ」と分析した。事実、安倍首相は3日の党首討論会で、「(野党の)国民民主党には改憲に前向きな議員がいる」と「秋波」を送っている。国民民主党は21日午後11時30分現在、今回の選挙で5議席獲得と見込まれており、このまま惨敗なら存続が危うくなる。

 安倍首相は、2006年に続き、2度目の首相就任となった12年から「改憲」を自身のトレードマークとして掲げてきた。日本の憲法を「平和憲法」たらしめている「第9条」を必ず改正するという考えは明らかだ。日本が太平洋戦争で敗戦した後、米国のマッカーサー将軍が指揮した連合国軍総司令部(GHQ)の要求により作られた憲法第9条第1項では戦争の放棄を、第2項では戦力の不保持・交戦権の否認を明記している。これ以降、日本の憲法は一度も修正されていない。

 今年11月に日本の歴史上、最長寿首相の記録を打ち立てると見られる安倍首相は、自衛隊の存在と役割を明記する改憲を成功させ、「日本の偉人」になるのが夢だ。安倍首相は今年下半期に自身の夢を実現させるため全力投球するものと見られるため、これに伴うきしみ音も日本列島から出てくるものと予想される。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/07/22 09:56