■Kリーグは代理店を訴える可能性を示唆


エースを温存したユベントスの決断が、大きな波紋を広げている。

騒動の発端となったのは、7月26日に韓国のソウルで行なわれたKリーグ選抜のオールスターチームとの試合で、ユーベがクリスチアーノ・ロナウドを欠場させたことにあった。

試合は3-3で終わり、見どころの多い展開となったが、観戦に訪れた6万3000人の観衆は、お目当てのC・ロナウドの欠場に落胆。韓国紙『Korea Herald』によれば、40万ウォン(約3万7000円)もする高額なチケット購入した一部のファンから、チケット払い戻しや損害賠償を求める団体訴訟の動きもあるという。

大黒柱が欠場した理由について、ユーベのマウリツィオ・サッリ監督は、「筋肉の疲労によって100%の状態ではなかったから試合前に本人と相談し、休ませるのがベストだと考えた」と説明したが、「詐欺だ」と訴えるファンの不満は収まる気配はない。

一連の事態を受け、Kリーグは公式声明で「今後はがっかりさせないように注意する」とファンへ謝罪。そのうえで、欠場は契約違反にあたるとして、試合開催を手配した代理店に損害賠償を請求する可能性を示唆した。

『Korea Herald』によれば、Kリーグの声明を受け、代理店『The Fasta』は、「C・ロナウドが欠場することをユーベ側から知らされていなかった」と主張。ユーベ側とこんなやり取りがあったことを明らかにした。

「試合の契約には、ロナウドを45分間はプレーさせることが規定されており、仮に事前の負傷やウォーミングアップ時に怪我をした場合は、事前に連絡するように伝えていた。しかし、後半のメンバーリストにロナウドの名前がなく、我々はユーベに契約書にあるようにプレーさせてほしいと伝えた。だが、そこで監督と選手から『契約は知っているが、体調が悪くて、プレーは出来ない』と言われてしまったために、どうしようもできなかった」

さらにKリーグ側の主張に対して『The Fasta』は、「ユーベ側に強く抗議する」としつつ、「現時点でクラブと連絡が取れていない」と明かし、八方ふさがりの状態であることを告白している。

果たして、ユーベとKリーグ、さらに代理店の間で生じた問題は、いかなる決着を見るのか。その顛末が注目される。


2019年07月29日
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=62077