韓国政府は、日本との軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」(ジーソミア)の破棄を決め、23日にも日本側に通告します。日韓の対立が政治や経済だけでなく、安全保障の分野にまで及ぶことになり、対立は長期化するのではないかという見方が強まっています。

韓国政府は22日、軍事情報包括保護協定=「GSOMIA」について、延長せずに破棄することを決めたと発表しました。

協定の自動更新の期限が24日に迫っていることから、韓国政府は、23日にも外交ルートを通じて、日本側に破棄を通告します。

GSOMIAの破棄を決めたことについて、韓国大統領府の関係者は22日夜、取材に対し「先月末までは韓国政府内で協定を継続しようという意見が多数を占めていた」と明らかにしたうえで、日本政府が輸出管理の優遇対象国から韓国を除外する決定をしたことが大きな理由になったとの考えを示しました。

今回の韓国政府の決定で、日韓の対立は、政治や経済だけでなく、安全保障の分野にまで及ぶことになり、対立は長期化するのではないかという見方が強まっています。

一方、アメリカが協定の継続を呼びかけていたことをめぐり、韓国国防省は声明を発表し「協定の終了とは関係なく、アメリカとの強力な同盟を土台に、安定的で完璧な防衛態勢を維持していく」として、安全保障上の問題はないと強調しました。

ただ、北朝鮮が軍事力をさらに強化する構えも見せる中で、日米韓3か国の連携にほころびが出るのではないかと懸念する声が韓国国内でも出ています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20190823/k10012045181000.html?utm_int=news_contents_news-main_001
NHKニュース 2019年8月23日 4時02分