日韓関係が悪化の一途をたどる中、日本人女性を暴行した韓国人男が立件された。ソウルの繁華街の弘大(ホンデ)で23日、旅行中の日本人女性(19)が韓国人の男(33)に暴行され、被害女性が撮影した動画がSNSで拡散した騒動。複数の韓国メディアによると、ソウルの麻浦警察署は26日、男を「暴行容疑で立件した。侮辱容疑は調査中」と発表した。韓国では日本で起きた“韓流ブーム”のせいで、日本人女性に対するとんでもない勘違いがはびこっていると専門家は分析する。

 動画は暴行された23日に公開された。路上で男が撮影者の女性を追い回し、「チョッパリ」(日本人の蔑称)と連呼する姿が映っていた。また、男が倒れた女性の髪の毛をつかんでいる場面もある。

 警察は24日、男と女性からそれぞれ事情を聴いた。その後、男は韓国メディアに対し「動画は捏造されたものだ。暴行していない」と主張した。しかし、警察はメディアに「被害者女性が提出した動画と警察が確保した監視カメラの資料から、捏造ではないと判断した」と話している。女性は25日に被害届を提出していた。

 フジテレビなどの取材に女性は、ソウル市内を友人ら5人と歩いていた時に、男がしつこく話しかけてきたが、韓国語が分からないので、別の女性が「迷惑だ」と言ったところ、男が激高。女性がスマホで撮影を始めると左手を強く叩いてきて、頭を上下に引っ張って、地面に叩きつけられたという。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏は「私の知人女性も韓国人男性に飲みに誘われ、断ったら逆ギレされたと言っていました。今回の事件の遠因には、昔でいうところの、作られた韓流ブームの弊害という側面もあるのではないでしょうか」と指摘する。

「一連の“韓流ブーム”で、日本でも韓国でも『韓国人男性は日本女性にモテモテ』などとかなり誇張されたイメージが醸造されました。韓国人の男性の間には『日本女性は軽い』という誤った認識も広がっているようです。日本女性をナンパしたらかなりの確率で落ちると信じて声をかけたのに無視され、男としてのプライドが傷付けられたとでも思ったのでしょう。韓流も罪作りなものです」(但馬氏)

 韓国では、日本人に対しては何をしてもいいという“反日無罪”がまかり通ってきた側面も否めない。しかし、国交正常化以降、最悪の日韓関係となっている中でも、この事件ばかりはさすがに多くの韓国メディアも“反日無罪”の論調はなく、「男は国の恥さらし」「行き過ぎた反日扇動が生んだ事件」などと報じている。

 韓国事情通は「『チョッパリ』の連呼に、韓国の日本人への差別感が出ていますね。チョッパリは日本人に対する最大の侮蔑語で、語源は『ブタのひづめ』で、日本人が履く足袋からの発想です。太った人をブタ呼ばわりするのは世界中で悪口となっていますが、日本人すべてをブタ呼ばわりするところに韓国の闇がありますね」と語る。

 たとえば、韓国映画「ナンバー3」には、ストーリーとは関係なく唐突に、厨房のコックが日本人客の料理に唾を練り込むシーンが出てくる。チョッパリという言葉もポンポン飛び交う。

「韓国の映画やドラマでは、日本人を侮蔑したり小バカにするシーンが脈絡なく出てきて、観客・視聴者が喝采することなど普通の光景です」と同事情通。韓国人の日本人侮蔑はエンターテインメントにさえ染みついているだけに、根深い問題だ。

 また、日韓関係がこじれているだけに、観光地でも注意が必要かもしれない。

 同事情通は「もちろん一部の店でしょうが、日本人観光客に出す料理に唾や痰、雑巾の絞り水を混ぜるなどの行為はあるらしく、韓国のSNSでも自慢げにいやがらせの報告を書き込む者がいたりします」と話している。
https://www.tokyo-sports.co.jp/social/incident/1526292/