(台北 6日 中央社)2019年度の学習指導要領に基づいて編纂された高校の歴史教科書に関し、野党・国民党の曽銘宗立法委員(国会議員)が5日記者会見を開き、一部の内容が「媚日、脱中国化」だと批判した。教科書の検定を担当する機関は同日、声明を発表し、教科書の多元的な内容を尊重するよう社会に求めた。

曽氏は、歴史教科書には台湾地位未定論を浮き彫りにする狙いがあるとの疑念を主張。媚日のほか、中華民国の消滅を図っている問題もあるとし、日本の植民統治にはほとんど前向きな記述がなされている一方で、中華民国の統治については総じて貶めていると指摘した。

今年度の高校の歴史科の指導要領は、歴史上の出来事を年代別にまとめる従来の方式を変更し、台湾、東アジア、世界といった地域別の枠組みが採用された。教育部(教育省)所管の国家教育研究院は、地域別にした狙いは歴史問題と各地域の歴史の間の関係を生徒に考えてもらうためだと説明。教科書が指導要領に合致し、違法ではなく、内容も正確である場合、同院はその編集方針や題材の選択、表現方法を尊重すると説明した。

さらに、教科書が多元的な観点と主張を示しているのは、教師と生徒に議論や考える余地を与えたいからだとした。

(陳至中/編集:名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201909060005.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/09/06 17:09

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新しい歴史教科書を批判する国民党の曽銘宗立法委員(右から2人目)