(台北 17日 中央社)郭台銘・鴻海(ホンハイ)精密工業前董事長(会長)が16日深夜、来年1月の総統選への無所属での出馬見送りを表明した。声明で郭氏は「申し訳ない。みなさんをがっかりさせました」と支持者に謝罪する一方、「総統選には出馬しないが、政事への関与を諦めたわけではない」とし、「引き続き積極的に自身の政策を進めていく」と意欲を見せた。

無所属での立候補に必要な署名集めの届け出締切が17日に迫る中での発表となった。郭氏は今年7月、野党・国民党の公認候補を決める予備選に参加したものの、韓国瑜・高雄市長に敗北。今月12日には同党からの離党を発表し、無所属での出馬を目指しているとみられていた。

郭氏は出馬断念の理由について、「誰かの助言や影響があったわけではなく、自らしっかり考えた。国の指導者選びを考える時、社会が理性的な思考や政策面での議論に立ち戻ってほしい」と説明した。

郭氏は17日にはフェイスブックに、「郭台銘と中華民国は永遠に一緒」との言葉とともにビデオメッセージを投稿し、無所属での出馬に必要な署名集めに参加しないことを説明した。

総統選出馬には、政党推薦方式と署名方式の2通りがある。政党推薦方式で立候補するには、直近の総統選または立法委員(国会議員)選で当該政党の候補者の得票数合計が有効投票数の5%以上であるのが条件で、これを満たしているのは、民進党、国民党、親民党、時代力量の4政党。署名方式で立候補する場合、11月2日までに28万384人分の署名を集める必要がある。

(王承中/編集:名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201909170001.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/09/17 13:33

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取材に応じる郭台銘氏=資料写真