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2019/09/18(水) 17:35:06.97ID:CAP_USER「モンスーン」のピョン・ヘヨンさん 「日韓作品、自由に出会いを」
韓国の作家、ピョン・ヘヨンさんが短編集『モンスーン』(姜信子訳、白水社)の刊行にあわせて8月に来日した。表題作で韓国の重要な文学賞、李箱(イサン)文学賞を受賞。日本語版は3冊目、「親密さを感じている」という。
『モンスーン』は、工事で停電になる夜、関係が壊れてしまった夫婦を描く表題作など9編。いずれも何げない日常に不条理が忍び込んでくる。
「一番怖いのは日常が終わらないこと。穏やかに過ごしているように見える人々の生活に亀裂が走る瞬間を描きたい」
最後に収録した「少年易老(いろう)」は、2014年4月のセウォル号沈没事故を受けて、友の死を乗り越える少年の物語の設定が変わったという。「小説でどの子も死なせられないと思うようになった」。
「子どもの死」や「水」という言葉だけで事故を想像してしまう。「韓国の作家に与えたトラウマは大きい。小説は社会に影響を受けるものです」
作品は男性の主人公が多い。フェミニズム文学の王道ではないが、静かな意思を感じさせる。「私の小説では登場人物が苦しくつらい状況に置かれる。それを女性に経験させたくなかった。フェミニズムはとても広い用語ですし、男性の声で消されてしまった女性の声の痕跡を描いてきたと思っています」
日本での韓国文学ブームは韓国でも報じられ、興味深く記事を読んだという。「同時代の韓国文学が今一番早く翻訳されているのが日本語です。文学には個人と個人をつなぐ作用がある。そして文学は自由に出会わせてくれる。日韓関係の厳しいときだからこそ、日本の作品と韓国の作品がもっと自由に出会っていくのがいい。それが当たり前ですよね」
朝日新聞:好書好日
https://book.asahi.com/article/12705259
「キム・ジヨン」だけじゃない!韓国文学が日本で熱い 各社シリーズ化、女性作家が人気