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西海北方限界線(NLL)付近の咸朴島に北朝鮮が設置したレーダーについて、韓国軍は「軍事用」に使用可能なレーダーと見なしていることが29日までに分かった。韓国軍は当初、このレーダーを「民間用」と説明していた。咸朴島レーダーの監視距離については「最大で178キロ」との見方も出ている。

 保守系野党・自由韓国党の白承周(ペク・スンジュ)議員はこの日、咸朴島に設置されたレーダーについて「韓国軍が軍事用の海上レーダーに分類する四つの基準(航法補助、海岸監視、対空監視、射撃統制)のうち、(咸朴島レーダーは)航法補助と海岸監視の機能を持っているため、軍事用の海上レーダーに相当する」「これは韓国軍関係者から口頭で報告を受けた」と説明した。韓国国防部(省に相当)は24日、咸朴島を巡る疑惑を解消するため、咸朴島近くのマル島を訪問した記者団に「咸朴島に設置されたレーダーは軍事用ではなく、一般の商船や漁船に積まれている航海用レーダー」と説明した。軍事用よりも性能が低い民間用と主張していたのだ。

 白議員は「咸朴島に設置されたレーダーを製造した日本の古野電気などに問い合わせたところ、このレーダーは2015年に北朝鮮が公表した新型高速艇はもちろん、米国やフランス、イタリア、デンマークなどの海軍で軍事用として使用されている」と明らかにした。北朝鮮軍は海軍艦艇やスパイ船など数百隻でこのレーダーを使用しているという。

 白議員は2010年代に製造された古野電気の新型レーダーについて「最大で178キロ以内にある30の標的の速度や動きを同時に追跡できる」と説明した。白議員は「国防部は咸朴島に設置されたレーダーの監視距離を40−60キロと主張しているが、これは一般の商船に設置された場合であり、およそ64メートルの高さ(咸朴島は標高44メートル、鉄塔20メートル)に設置されれば、その監視距離がさらに長くなるのはあまりにも単純な論理だが、これを国防部は否定している」と主張した。

 これに対して国防部は咸朴島レーダーについて「中国船による違法操業を取り締まるため」との可能性を指摘するが、軍事専門家はこれも「説得力がない」と指摘する。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「過去に北朝鮮が延坪島砲撃を行った際、砲撃の正確度はかなり低かった」とした上で「砲撃すればどこに命中するか把握できなければならないが、咸朴島レーダーなどの観測施設がこのような役割を果たせるはずだ」と説明した。これに対して国防部は「われわれは一貫して咸朴島レーダーを航海用と考えている」と主張した。

ヤン・スンシク記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/09/30 10:20