日韓関係の悪化が続く中、外交使節「朝鮮通信使」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録する活動に尽力した両国関係者が30日、政治的な対立を越え、民間レベルで通信使の平和と友好の精神を引き継ぐとする「対馬宣言」を長崎県対馬市で行った。

 2017年の世界遺産登録から2年を迎えたのを機に、対馬市のNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会の松原一征理事長(74)や韓国・釜慶大の姜南周元総長(80)ら有志が企画した。

 かつて国交が断絶した時も朝鮮通信使が往来して回復に向かった歴史を踏まえ、「私たちは両国の人々が『誠信交隣』の精神を取り戻すことを訴える」と宣言。その実践に向けて絶え間ない努力をすることも確認した。

 記者会見した姜氏は「対馬は通信使が最初に踏んだ日本の土地。私たちの努力が日韓関係の葛藤の中で少しでも力になれたらと思う」と語った。 (平江望)

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西日本新聞 2019/10/31 6:00