(台北中央社)安倍晋三首相は24日、日中間の新たな政府文書「第5の政治文書」の作成について、「各分野で成果が上がるよう努力していきたい」と述べた。台湾の国家安全当局者は同日、中央社の取材に対し、日中間のやり取りは台日関係に影響を及ばせる必要はなく、台湾の地位を変更することもないとの見解を示した。

日中政府はこれまでに日中共同声明など4つの重要な政治文書を発表している。第5の文書はこれに続くもので、一部報道で先日、日中両政府が来年春に予定されている習氏の訪日に合わせて作成を検討していると伝えられた。

安倍首相は23日から25日までの日程で訪中し、23日に北京で中国の習近平氏と会談。24日に成都で内外記者会見に臨み、第5の文書の作成に関する質問に対し、「成果の形は現時点では何も申し上げることはできないが、今回の議論を踏まえて、各分野での成果が上がるよう、日中双方で一つ一つ努力をしていきたい」と語った。

台湾の当局者は第5の文書作成の議論が日中間で生まれた背景について、中国側が米中貿易摩擦の継続によって日本との友好関係の維持を必要としていることに加え、日本側にも日中関係を改善したいとの思いがあると分析した。

第5の文書を巡っては、陳水扁元総統が先月、個人的なルートで日本の友人から聞いた話として、同文書で日本政府が中国による香港の「一国二制度」に支持を表明する可能性があると指摘し、これが現実になれば「台湾の国家利益が激しく損なわれる」と危機感を示した。

台湾の当局者は、「日本が台湾を裏切る可能性がある」とのデマを操作し続けている特定の情報源があるとし、それらの情報は「国際情勢への誤った解釈」だと非難した。

(編集:名切千絵)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201912250003.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/12/25 14:54