(台北中央社)陳建仁副総統は24日、公明党の富田茂之衆議院議員が率いる議員訪問団と面会した。談話の中で、医療分野における日台交流強化に意欲を示した陳氏。中国の妨害によって世界保健機関(WHO)に参加できない台湾の現状に触れ、このことは防疫の抜け穴となって台湾で暮らす日本人にも影響を及ぼすと警鐘を鳴らした。

陳氏は、医療・衛生は台湾の努力目標であるだけでなく、揺るがすことができない基本的人権だとした上で、WHOへの参加を妨げられ、世界と情報共有できない台湾が抱えるリスクに言及。2003年に新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)が流行した際、各国からの情報をいち早く入手することができず、73人が死亡した事例を紹介するとともに「疾病に国境はない」と強調し、政治が人権をしのいではならないと訴えた。

その上で、これまで日本がWHOや国際民間航空機関(ICAO)、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)などへの台湾の参加を支持してきたことに感謝。国際社会において台湾がより多く、より全面的な貢献ができるよう、今後とも国会で台湾のために声を上げてほしいと呼び掛けた。

内政部(内務省)移民署の統計によれば、台湾には約1万9000人の日本人が居住している。(2019年10月現在)

(葉素萍/編集:塚越西穂)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201912250004.aspx
中央社フォーカス台湾 2019/12/25 15:27

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富田議員(左)に記念品を贈る陳副総統=総統府のウェブサイトから