香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は28日、記者会見し、中国本土からの個人旅行の新規受け入れを全面停止すると発表した。
中国本土と結ぶ鉄道やフェリーは30日から運休にし、航空便は半減させる。

香港と中国本土は陸路でつながっており、人の往来の大幅な制限によって新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を防ぐ狙いだ。

香港では新型肺炎の感染者が8人に上り、発生源とされる湖北省居住者などの入境を27日から停止していた。
林鄭氏は「中国本土との間で人の流れを大幅に減らす必要がある」と語り、「自由行」と呼ばれる個人旅行の制限に理解を求めた。

高速鉄道の香港側の終点にあたる西九龍駅など6つの出入境のチェックポイントを閉鎖する。

2018年には約5100万人の中国人観光客が香港を訪れ、1日あたりの単純平均は約14万人に上る。
中国政府は既に香港への団体旅行を止めており、今回、本土から香港への入境者の半数を占める個人旅行者の受け入れを止めることで、
仕事などで訪れる人を除き全体の7割ほどの流入を防ぐ。

春節(旧正月)などで中国本土にいる香港人には、できる限り早期の帰還を促し、香港に戻ってから14日間は自宅にとどまるよう求めた。

香港政府は連休明けとなる29日から2月2日まで公務員を自宅勤務にすると決めた。
一方、香港取引所は29日から予定通り株式市場の取引を再開すると発表した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54961220Y0A120C2FFJ000/