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 米国アラスカ州の空軍基地に所属するステルス戦闘機F22「ラプター」4機が最近、在日米軍横田基地に派遣されたことが29日までに分かった。アラスカのF22は有事の際、韓半島に展開する戦力だ。米軍の特殊作戦機が韓半島付近で相次いで作戦に乗り出し、最新鋭無人偵察機(MQ4C)が第7艦隊に配備されたのに続いて、F22まで飛来したのだ。北朝鮮で特異動向が感知されたからではないか、という見方が持ち上がっている。

 韓国情報当局の関係者は「最近、米国アラスカの空軍基地に所属するF22戦闘機4機が日本の横田基地に入ったものとみられる」とし「ローテーション配備の一環なのか、もしくはほかの訓練かという点については確認されなかった」と語った。F22の姿は、一部の日本の専門家も捕捉したといわれている。在日米軍は2016年、横田基地へ一時的にF22戦闘機8機を配備したこともあり、これは北朝鮮と中国をけん制する布石だと解釈されていた。そうして、F22が再び横田基地へやって来た事実が確認されたのだ。F22は北朝鮮のレーダーに引っ掛かることなく平壌などの主要施設を攻撃することができ、北朝鮮が最も恐れる米国の戦略兵器の一つだ。

 韓国軍のある元将官は「F22の動きや存在自体を、米軍は厳重な保秘事項にしている」とし「行方が明らかになったこと自体が意図的なものということもあり得る」と指摘した。実際に最近、米国はこれまで見られなかった特異な動きをたびたび示している。米空軍のC146A「ウルフハウンド」輸送機は最近、烏山空軍基地と西海、日本一帯を数度にわたって行き来した。C146A輸送機は、民間人を装った米軍最精鋭特殊部隊員を輸送する用途によく活用される。日本上空では、米軍のMC130J「コマンド」系列の特殊戦輸送機の飛行がキャッチされた。

 韓国軍関係者は「現在北朝鮮は冬季訓練の期間で、慌ただしい動きを見せている」とし「ただし、予想していない戦略的挑発の動きはないように思う」と語った。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ専門研究委員は「インド・太平洋地域で米軍の戦力を増強し、朝中ロを圧迫しようという狙いがあるとみられる」として「特に、韓米合同演習が縮小された状況の中、米軍単独で訓練を進めようとしていることもあり得る」と説明した。

 米統合参謀本部は、大規模な韓米合同演習の廃止・縮小の後も、在韓米軍は過去の訓練の88%をそのまま遂行してきたことを明かした。28日(現地時間)、米国連邦議会下院軍事委員会が開催した韓半島の安全保障の状況に関する聴聞会で、統合参謀本部J5(戦略計画・施策部門、第5部)のデビッド・アルビン部長(空軍中将)は「米朝対話が決裂し北朝鮮が挑発を予告している状況で、訓練を再開するのか」という質問に対し「昨年だけでも200回以上の訓練があった」としつつ、このように答弁した。アルビン部長は「(トランプ)大統領が2018年6月に特定の大規模演習を中断すると決定して以降、273回の訓練を行った」と説明した。

 18年の第1次米朝首脳会談の直後、トランプ大統領は大規模な韓米合同演習の中断を決定した。キーリゾルブ、フォールイーグル、乙支フリーダムガーディアンが事実上中断された。だがアルビン部長は「ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官の努力で、かつて大規模演習の中に組み込まれていたおよそ307の訓練の規模、量、範囲、時期などをクリエーティブに変更し、そのうち88%を実行できた」と答弁した。

表面的には韓米演習が瓦解したように見えるが、内容の面では大部分の訓練をそのままこなした、ということを意味する。
 ただし、「北朝鮮も相互に軍事訓練を減らしたか」という質問に対し、アルビン部長は「そうではない。認識できる程度(の北朝鮮の軍事訓練縮小)はなかった」と答弁した。

金真明(キム・ジンミョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2020013080024

2020/01/30 09:40