フランスでは、新型のコロナウイルスに感染した人が確認されて以降、アジア系の人たちが差別的な言動を受けたと訴え、問題となっています。
フランスの中国系の住民で作る団体によりますと、感染者がフランス国内で確認された先月24日以降、差別的なふるまいを受けたという中国系やアジア系の住民からの相談が、毎日20件ほど寄せられているということです。

団体のメンバーで、中国系フランス人のスンレイ・タンさん(33)は、NHKの取材に対し、「職場で同僚から近くに寄るなと言われた」とか「子どもがエレベーターに乗るのを断られた」といった相談が寄せられていると説明しました。

タンさん自身も、地下鉄に乗った際、隣の人がスカーフで口を覆う姿を見たということで、「ショックを受けた」と話していました。そのうえで、タンさんは、ネット上でも中国系の人たちを侮辱することばがあふれているとして、「まるでパンドラの箱が開いたようで、とても悲しく、心配です」と話していました。
こうした事態を受けて、ネット上では、差別的な言動を批判する動きも広がっていて、ツイッター上では、「私はウイルスではない」という意味のフランス語のハッシュタグをつけて、被害にあった中国系住民を応援するといった内容が世界中から投稿されています。

また、フランス政府も差別的な言動を問題視していて、ビュザン保健相は31日、記者団に対し、「何の理由もなく、一部のコミュニティーを公然と責めるべきではない」として、差別的な言動をやめるよう呼びかけました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200201/k10012268581000.html

2020年2月1日 10時22分