ソウル市松坡区に住むJさん(42)は今月8日から出掛ける予定だったベトナム・ハノイへのツアーを1日にキャンセルした。
Jさんは「新型コロナウイルスが流行する中、密閉された飛行機に年老いた両親を数時間も乗せる気にはならない」と話した。

新型コロナウイルスによる肺炎(武漢肺炎)の拡大で海外旅行需要が急速に低下している。
ウイルスが全世界に急速に拡散し、震源地の中国だけでなく、他地域への旅行も回避しようというムードだ。

韓国旅行業界最大手ハナツアーの先月の中国ツアー販売件数は旧正月の連休前からキャンセルが相次ぎ、
前年同期比で62%減少した。モドゥツアーでも先月の中国ツアー商品の販売が32.7%減少した。

ハナツアー関係者は「先月末から中国ツアーの販売は皆無の状況だ。中国だけでなく、海外旅行そのものを控えるムードだ」と話した。

現在インターネット上では「世界のどこに行っても中国人観光客がいない場所はない」
「東南アジア、欧州、米州地域も安全地帯とは言えない」などとして、海外旅行の予約をキャンセルしたという書き込みが相次いでいる。

旅行業界では昨年夏から始まった反日不買運動、香港での反中デモの影響で日本、香港へのツアーが直撃を受けたのに続き、
中国発の新型コロナウイルスという悪材料も重なり、茫然自失の状況だ。

ハナツアーによる先月の海外旅行商品販売件数は全体で18万7000件で、前年同期を49.7%も下回った。
不買運動が続く日本ツアーは85.8%減少した。このほか、東南アジアが19.1%減、南太平洋が20.8%減、
欧州が22.2%減、米州が24.2%減などほぼ全ての大陸への旅行客が減少した。

モドゥツアーの先月の海外旅行商品販売件数も23.4%減少した。

同社関係者は「昨年夏から日本、香港へのツアー商品が売れず、業界全体が低迷期に入ったが、
今月からは中国へのツアー商品まで中断した状況だ」と話した。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/04/2020020480014.html