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COVID-19の31番目の患者に連関した確定診断者=資料:韓国疾病管理本部//ハンギョレ新聞社

 19日だけで大邱(テグ)・慶尚北道地域で発生したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)追加確定診断者18人のうち、14人が新天地大邱教会の教会信者であることが確認され、そこが“スーパー伝播事件”の震源地に浮上した。この教会は、31番目の確定診断者(61・女)が症状の発生する前後に4回訪問したところだ。狭い場所に多くの人が集まる教会礼拝空間の物理的環境が、大規模集団感染の原因になった。保健当局は、教会訪問者を対象に大々的な選別・診断検査を進める予定だ。大邱市は、31番目の患者と同じ時間帯の礼拝参席者だけで1千人程度と集計しており、追加で教会発の大量確定診断判定が出てくる可能性が残っている。

 中央防疫対策のチョン・ウンギョン本部長はこの日、定例ブリーフィングで「31番目の患者が訪問した教会で“スーパー伝播”事件があったと見ている」として「教会に追加の接触者と陽性患者がありえるので、教会全体に対する選別検査と診断検査施行計画を立てている」と話した。

 “スーパー伝播”事件とは、密閉された場所で伝染力が強いときに多くのウイルス露出で多数が感染するケースを指す。科学的用語ではないため、厳密な基準がある訳ではないが、10人前後の患者が特定の感染源と関連して大量に発生する時、スーパー伝播と呼ぶ。2015年のMERS(中東呼吸器症候群)事態の時、サムスンソウル病院の応急治療室で60人余りが感染した事件が代表的だ。

 ただし、保健当局は31番目の患者が14人にウイルスを伝播した最初の“感染源”だという判断は留保した。31番目の患者も同じく先に感染したまた別の人に露出して伝播した可能性を排除できないためだ。チョン本部長は「誰が感染源で、どんな感染経路を通じて広がったかについては、さらに調査してみなければならない」として「4回の礼拝に参加した方に対して全数調査が必要だ」と話した。広範囲な調査を通じて、流行の伝播様相を総合的に分析してこそ、最初の感染者を確認できるということだ。

 31番目の患者は、症状が現れる前の14日間に2回、症状が現れた7日以後にも2回、都合4回この教会を訪れたことが確認された。この日午後基準で34番目(24・男)、35番目(26・女)、36番目(48・女)、39番目(61・女)、41番目(69・女)、42番目(29・女)、43番目(58・女)、44番目(46・女)、45番目(54・女)、47番目(63・女)、48番目(72・女)、49番目(58・男)、50番目(76・男)、51番目(61・女性)の14人がこの教会を訪問したことのある患者だ。大邱市はこの日のブリーフィングで、31番目患者と同じ時間帯の礼拝参席者だけで1千人程度になると集計した。31番目の患者の動線情報に接した後、検査を受ける教会参席者の中から大量の確定診断判定が出てくる可能性が充分にある。

 教会の空間がスーパー伝播事件の震源地になったことに対して、保健当局は「密集した環境」を原因に挙げた。チョン本部長は「密集した環境の中で礼拝を行ったので、濃厚接触が大量に起きたと推定している」と話した。オム・ジュンシク嘉泉大教授(感染内科)も「呼吸器感染は狭く密閉された環境で、比較的元気な人が強い咳をした場合によく広がる」と話した。

 大邱・慶尚北道で確定診断判定を受けた別の1人も、31番目の患者が入院したセロナ漢方病院の職員だ。中央対策本部と大邱市の説明を総合すれば、31番目の患者は交通事故で7日に大邱市寿城区(スソング)泛魚洞(ポモドン)のセロナ漢方病院に入院し治療を受け14日に退院していた。17日には寿城区保健所を訪問し診断検査をした後、この日確定診断判定を受け、大邱医療院に隔離入院した。この患者は、教会と病院の他にも大邱東区のクィーンベルホテルのビュッフェ食堂(15日)を訪問し、6〜7日には職場(シークラブ)に出勤していたことが分かった。

 保健当局の追加疫学調査の結果、この日までに31番目の患者が接触した人は計166人と集計された。セロナ漢方病院での接触者128人のうち、入院患者の32人は大邱医療院に移送され、残りの接触者は自宅隔離に入った。31番目の患者との関連性が見当たらない3人の患者に対しては疫学調査を進行中だ。

パク・スジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

http://www.hani.co.kr/arti/society/health/928893.html

韓国語原文入力:2020-02-19 19:23
訳J.S