新型コロナウイルスの感染が広がったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に一時乗船して、船内の感染管理の惨状を動画投稿サイト「ユーチューブ」で告発した岩田健太郎神戸大教授は20日朝、動画を削除した。

岩田氏は自身のツイッターで「動画は削除しました。ご迷惑をおかけした方には心よりおわび申し上げます」と述べた。さらに「これ以上この議論を続ける理由はなくなった」とした。

動画は、クルーズ船内でウイルスに汚染された危険区域と安全な区域を区別せず、専門家も常駐させないなど「ものすごい悲惨な状態」などと指摘していた。

再生回数は100万回を超えるなど内外で大きな反響を呼び、加藤勝信厚生労働相は19日深夜の記者会見で「感染管理の専門チームが常に船内にいて、医療従事者や乗員の衛生活動の指導をしていた。感染の危険性が高いところとそうではないところに分けていた」などと反論していた。

欧米メディアは削除前の19日、日本の検疫態勢を疑問視する岩田氏の発言を相次いで伝えた。英BBC放送は特派員がクルーズ船前から中継し「検疫中に感染が広がったとの強い疑いがある」と指摘。インターネットを通じて岩田氏と会見し、下船した乗客らが船外の市民らと接触することを「とても懸念している」とする発言を伝えた。

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO55849070Q0A220C2CE0000?s=4

2020年2月20日 10:13