韓国・慶尚北道の亀尾国家産業団地にあるサムスン電子亀尾工場は22日、
新型コロナウイルスの確定患者と接触した従業員622人を2週間自宅隔離とする措置を取った。

また、大邱から亀尾工場に通勤している900人余りについても、1週間にわたり同様の措置を下した。
同工場の従業員全体(約8000人)の20%近くが生産現場から排除されたことになる。

サムスン電子は22日、生産職の従業員1人が新型コロナウイルスに感染していたことが分かり、週末の間、工場を一時閉鎖した。
24日午後から稼働を再開したが、従業員の復帰が遅れ、100%の正常稼働は困難な状況だ。

それに京畿道水原市などにある他の事業所から従業員を連れてくるわけにもいかない。
同社は既に水原−亀尾間のシャトルバスの運行を取りやめている。

亀尾産業団地にあるLG電子とLGディスプレーも大邱で新型コロナウイルスの感染が大規模に拡大すると、
大邱から通勤している生産職の従業員約900人(全体の約10%)が事業所に立ち入ることを禁じた。

サムスン・LGだけでなく、亀尾産業団地内の他社も同様の措置を検討しているとされる。

韓国の「製造業の心臓」である亀尾産業団地で主な大企業が新型コロナウイルスの影響で生産職の労働力が不足し、
現地では過去50年余りで初めて、産業団地全体の稼働がストップするのではないかという恐怖感が広がっている。

大企業関係者は「事態の初期に中国からの部品供給が困難になり、一時稼働を取りやめたのとは次元が異なる。
亀尾産業団地が揺らげば、電機・電子、素材、機械など韓国の主力製造業全体に影響を及ぼすことになる」と懸念した。

■2400社で従業員8万6000人

亀尾産業団地には大企業の工場とその下請け企業を含め、約2400社の企業が入居している。
従業員数は8万6828人に達する。企業と労働力がこれほど集中しているだけに、新型コロナウイルスには弱い。

24日の段階で亀尾では確定患者は4人にとどまっているが、確定患者が最も多い大邱からは車で20−30分の距離にすぎない。
亀尾産業団地の生産職の60−70%が亀尾に住んでいるため、ウイルスが拡散すれば、大企業だけでなく、下請け企業まで最悪の状況に陥る。

亀尾産業団地の進出企業2400社の約80%は従業員数50人以下の中小企業だ。
中小企業は代替労働力の投入が難しいほか、既に中国からの部品供給が止まり、生産量が通常の半分以下に落ち込んでいる。

亀尾産業団地の関係者は「過去50年でオイルショック、通貨危機など数多くの難関を経験したが、現在のように予測もつかない危機は初めてだ」と話した。
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