韓国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、国民生活に深刻な影響が広がっている。国会は審議の一時停止を決め、裁判所も不急の公判を先延ばしにした。文在寅(ムンジェイン)政権は集団感染が起きた南東部の大邱などへの防疫管理強化を打ち出している。

 文氏は25日、集団感染が発生した大邱を訪れ、「国の力を全て集め、ウイルスとの戦いに必ず勝つ」と語った。政府はすでに大邱広域市と慶尚北道・清道郡を感染症の「特別管理地域」に指定。丁世均(チョンセギュン)首相を現地に常駐させ、陣頭指揮を執らせることも決めた。

 政府の発表では、25日午後4時現在の国内の感染者は977人で、死者は10人に上る。政府はすでに全国で、3月に始まる小中高校の新学期を1週間延長することを決定。司法行政を担う政府機関も24日、全国の裁判所に緊急を要する事件以外の公判の延期を要請した。国会は25日まで閉会し、韓国軍も内部で感染者が出たことから、約8700人を隔離している。

 大邱に住み、中学生の息子がいる50代の女性は朝日新聞の電話取材に「夏休みを縮めてでも、事態が収まるまで新学期を遅らせてほしい」と話した。女性の息子が通う塾も休みになったといい、「講師が教材を自宅に届けてくれたが、郵便受けに入れて帰っていった。人との接触を避ける雰囲気が広がっている」と語る。

朝日新聞社
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2/25(火) 20:28配信