10年前の今日、2010年3月10日。この日某メディアでは、日帝強占期の韓国人強制徴用被害者の一人である、ヤン・グムドクさんのインタビューを掲載しました。ヤン・グムドクさんは、このメディアとのインタビューを通じて、「生涯で流した涙の償いを受けるには、日本の首相を始めとする日本政府に一日も早く謝罪することを願うだけ」と言いながら涙を流しました。

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▲ 日帝強占期の強制徴用被害者、ヤン・グムドクさん。
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今回の10年前の今日では、日帝強占期に朝鮮人10万人以上を強制徴用して富を蓄積した代表的な戦犯企業であるにもかかわらず、一切の謝罪と賠償を拒否している三菱重工業と孤独な喧嘩を続けている、ヤン・グムドクさんの足跡を追ってみました。

ヤンさんを始めとし、『朝鮮女子勤労挺身隊(以下、挺身隊)』として連行されたハルモニ(お婆さん)たちは、日帝強占期の三菱重工業などで強制労働の被害を受けました。

ヤンさんによれば、1944年5月に下関行きの船に乗り、飛行機を造る三菱重工業の工場で鞭を打たれながら飛行機を磨き続けたと言います。

徴用当時、ヤン・グムドクさんの年齢は13歳。お金を稼げて学校も通えるという、日本人の校長の強迫交じりの懐柔と嘘に騙され、日本に行くことになりました。しかし、その他の強制徴用被害者と同様、学べるどころか空腹に耐えながら10時間以上の労働を搾取されたのです。

ヤン・グムドクさんは、日本の敗戦と同時に故国に戻ることになったのですが、 帰国直前に三菱側にこれまで働いた分の月給を要求したのですが、三菱側は、「住所があるので、家に帰っていれば送ってあげる」と約束しました。これを信じたヤンさんは、懐かしい故郷の地を再び踏むことになったのです。

しかし、三菱側は『無回答』で一貫して、補償どころか心からの謝罪もしませんでした。これにヤン・グムドクさんを始めとした勤労挺身隊のハルモニたちは、去る1993年に日本政府と三菱重工業を相手に名古屋地方裁判所に損害賠償訴訟を提起したのです。

『ザリガニはカニの味方だ』という諺(ことわざ)のように、勤労挺身隊のハルモニたちは1審と控訴審で相次いで敗訴して、2008年11月11日に東京最高裁判所は棄却判決を下し、正当な労働の対価を受け取れない立場に置かれたのです。

このような勤労挺身隊のハルモニたちの事情が知れ渡ると、三菱と日本政府側の補償を要求しながら一緒に戦ってくれる市民の会、『名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会(以下、名古屋訴訟支援会)』が結成されました。

日本人で構成されたこの市民の会は、勤労挺身隊のハルモニたちと一緒に訴訟を始め、去る2007年から『金曜行動』を通じて三菱に謝罪と賠償を求めています。

日本政府は2009年末、日本市民が参加したデモが続けられると、勤労挺身隊被害者のハルモニたちに厚生年金脱退手当金の名目で、『99円』を支給することしました。問題は99円という金額です。99円は韓価で1,160ウォン、一食分の食事も取れない金額でした。

このような恥辱的な金額に対し、市民の会は反発に乗り出しました。特に市民の会は記者会見を通じて、「国益が一番と言いながら、李健熙(イ・ゴンヒ)三星(サムスン)会長を罷免にした李明博(イ・ミョンバク)大統領が、99円の恥辱を見ても手放しにしている」とし、韓国政府に積極的な対応を求めました。

このような努力もあり、三菱は2010年7月に被害者と面談を行いました。 結論から言うと、三菱は面談後も、いかなる謝罪と賠償について言及さえしませんでした。

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▲ ヤン・グムドクさんが三菱重工業に対し、大法院の賠償判決の移行を求める姿。

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ユニクロの広告画面のキャプチャー。

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日本は来る7月、東京オリンピックの開催を控えています。しかし、平和の祭典であるオリンピックの開催を目前にして、日本が強制徴用や慰安婦などの歴史問題の解決に積極的に乗り出さない場合、「果たしてオリンピック精神に相応しい開催地なのか」に対する疑問符はずっとついて回るものと見られます。

ソース:プライム経済(韓国語)
http://www.newsprime.co.kr/news/article/?no=496417