中国外務省の趙立堅副報道局長がツイッターに「武漢に感染をもたらしたのは米軍かもしれない」などと投稿し、米政府が反発している。米国務省は取材に、13日に駐米中国大使を呼び「中国が感染症発生の責任を回避しようとしている」として、厳重抗議したことを明らかにした。

 趙氏は12日以降、「この感染症は米軍が武漢に持ち込んだものかもしれない」などと相次ぎツイートした。昨年10月に湖北省武漢市で開催された各国軍人によるスポーツ大会に米軍が選手団を派遣したことを指すものだが、米国起源説の論拠は示していない。

 米国務省は「感染拡大を阻止するため献身的に取り組んだ中国の医療関係者に感謝する」とする一方、「北京のプロパガンダ装置が科学的に証明されたウイルスの起源に疑問符をつけ、自分たちの初動の瑕疵(かし)を矮小(わいしょう)化しようとしている」と厳しく批判した。

 同ウイルスを巡っては、ポンペオ国務長官ら米政府高官が「武漢ウイルス」と繰り返し、中国の対応の遅れや情報統制を批判したのに対し、中国側が「責任をなすりつけている」と反発するなど非難の応酬が続いている。

 一方、トランプ米大統領は13日の記者会見で米国起源説について感想を問われ、「中国の公式な見解ではないと思う。習近平国家主席と私との会話の内容とは違う。彼らも我々もウイルスがどこで発生したか分かっている」と述べた。【ワシントン高本耕太】

毎日新聞
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3/14(土) 13:05配信